36Q89|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
介護老人福祉施設の介護福祉職が、管理栄養士と連携することが必要な利用者の状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.利用者の食べ残しが目立つ。
この問題のポイント
管理栄養士は、利用者の栄養状態、食事摂取量、身体状況、嗜好などを把握し、必要な栄養量や食事内容を調整する専門職です。
食べ残しが目立つことは、必要なエネルギーや栄養素を摂取できていない可能性を示します。低栄養の予防と原因の把握のため、管理栄養士との連携が必要です。
解説
介護老人福祉施設では、利用者の栄養状態を継続的に把握し、多職種で栄養ケアを行います。管理栄養士は、食事摂取量、体重変化、検査値、疾病、咀嚼・嚥下機能、嗜好などをもとに栄養アセスメントを行い、食事量、栄養量、食形態、補助食品などを検討します。
食べ残しが増えた場合は、単に「好き嫌い」と判断せず、食欲低下、体調変化、薬の副作用、口腔内の問題、食形態が合っていない、食事環境、認知機能の変化などを確認します。介護福祉職が観察した情報を管理栄養士へ伝えることで、低栄養の早期発見と食事内容の調整につながります。
ほかの選択肢も、多職種連携の中で管理栄養士が関わることはあります。ただし、経管栄養中の嘔吐はまず医療的な安全確保、姿勢の不安定は姿勢や移乗の評価、義歯のぐらつきは歯科的対応、摂食・嚥下訓練は嚥下機能の専門的評価が中心です。設問では、管理栄養士との連携が最も直接必要な状態を選びます。
ひっかけポイント
管理栄養士は「献立を作る人」だけではありません。食べ残し、体重減少、食欲、食形態、疾患、嗜好などを総合して栄養状態を評価し、利用者ごとの栄養ケアを多職種と進めます。
介護実践でのポイント
食べ残しを報告するときは、「残した」という事実だけでなく、主食・副食の摂取割合、残した食品、食事にかかった時間、むせ、眠気、痛み、表情、本人の訴えなどを具体的に記録します。体重や体調の変化も共有し、本人の希望を尊重しながら対応を検討します。
選択肢の確認
1.利用者の食べ残しが目立つ。
正しいです。
食べ残しが目立つと、必要なエネルギーや栄養素を摂取できず、低栄養につながる可能性があります。摂取量と原因を評価し、食事内容や提供方法を調整するため、管理栄養士との連携が必要です。
2.経管栄養をしている利用者が嘔吐{おうと}する。
誤りです。
経管栄養中の嘔吐は、誤嚥や窒息につながるおそれがあるため、まず注入を中止して安全を確保し、看護職員や医師へ速やかに報告する状態です。原因や栄養剤の調整では管理栄養士も関わりますが、最初に優先するのは医療的な対応です。
3.利用者の食事中の姿勢が不安定である。
誤りです。
食事姿勢の不安定さには、介護福祉職、看護職員、理学療法士、作業療法士などと連携し、座位保持、椅子や車いす、クッションなどを調整します。食事内容の栄養管理を主な業務とする管理栄養士への連携が最も直接的な状態ではありません。
4.利用者の義歯がぐらついている。
誤りです。
義歯のぐらつきには、口腔内の状態と義歯の適合を確認する歯科医師や歯科衛生士との連携が必要です。食事摂取量や食形態への影響について管理栄養士と共有することはありますが、根本的な対応は歯科的評価です。
5.利用者の摂食・嚥下{えんげ}の機能訓練が必要である。
誤りです。
摂食・嚥下機能の評価や訓練では、医師、歯科医師、言語聴覚士、摂食嚥下に詳しい看護職員などとの連携が中心です。管理栄養士は評価結果に応じた食形態や栄養量の調整に関わりますが、機能訓練を中心に担う専門職ではありません。
覚えるポイント
- 管理栄養士は、食事摂取量と栄養状態を評価する。
- 食べ残しの増加は、低栄養の早期徴候になり得る。
- 残食量だけでなく、体重、体調、食形態、嗜好、口腔状態も確認する。
- 経管栄養中の嘔吐は、まず安全確保と医療職への報告を優先する。
- 義歯の問題は歯科職、嚥下訓練は言語聴覚士などとの連携が中心である。
- 各専門職の役割は排他的ではなく、利用者を中心に多職種で連携する。