36Q95第36回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

夜間、自宅のトイレでの排泄{はいせつ}が間に合わずに失敗してしまう高齢者への介護福祉職の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 5

正答

5.夜間は、ポータブルトイレを使用するように勧める。

この問題のポイント

夜間にトイレまでの移動が間に合わない人に対して、排泄の自立を保ちながら、失禁と転倒を防ぐ環境調整を選ぶ問題です。

ベッドの近くにポータブルトイレを置けば、移動距離を短くでき、尿意があってから排泄するまでの時間を短縮できます。

解説

夜間の排泄失敗には、尿意が急に起こる、起き上がりや歩行に時間がかかる、暗くてトイレの場所がわかりにくい、衣類の上げ下ろしに時間がかかるなど、さまざまな原因があります。まず、排尿記録や本人の話から、失敗する時間帯、尿意の有無、移動能力、夜間の覚醒状態、トイレまでの距離を確認します。

本問では、自宅のトイレまで間に合わないことが問題です。ポータブルトイレをベッド付近へ設置すると、移動距離を短縮でき、本人が尿意に合わせて排泄しやすくなります。おむつへ一律に変更するより、自然な排泄と残存機能を活かす支援です。

設置するときは、本人の同意を得て、立ち上がりや移乗がしやすい位置、手すりの有無、床の滑りやすさ、夜間照明、動線、プライバシー、消臭と衛生管理を確認します。必要に応じて、介助を求める方法も決めておきます。

水分を一律に減らすと、脱水、便秘、尿の濃縮、尿路感染症などにつながる可能性があります。心臓や腎臓の病気などで医師から水分制限を受けている場合を除き、介護福祉職が独断で水分を制限しません。

夜間の失禁が急に始まった、排尿痛、血尿、発熱、極端な頻尿、残尿感などがある場合は、病気の可能性を考えて医療職へ報告し、受診につなげます。ただし、本事例のように移動時間が主な課題である場合は、まず環境を調整することが適切です。

ひっかけポイント
失禁があるからといって、すぐにおむつや水分制限を選びません。「なぜ間に合わないのか」を確認し、移動距離や動作を整えます。

介護実践でのポイント
ポータブルトイレは、置けば終わりではありません。高さ、安定性、手すり、夜間照明、移乗方法、後始末、におい、本人の羞恥心まで含めて調整します。

選択肢の確認

1.水分摂取量を減らすように勧める。
適切ではありません。
一律の水分制限は、脱水、便秘、尿の濃縮などを招く可能性があります。医師の指示がないまま介護福祉職が勧める対応ではありません。

2.終日、リハビリパンツを使用するように勧める。
適切ではありません。
夜間に間に合わないという課題に対して、終日使用を勧めるのは過剰です。本人の排泄能力を活かし、まず環境調整を行います。

3.睡眠薬を服用するように勧める。
適切ではありません。
睡眠薬は医師が必要性を判断する薬です。夜間のふらつき、転倒、眠気、混乱を強めることがあり、排泄失敗の解決策にはなりません。

4.泌尿器科を受診するように勧める。
適切ではありません。
排尿痛や血尿などの異常があれば受診が必要ですが、本問ではトイレまで間に合わないことが中心です。まず移動距離を短くする支援が適切です。

5.夜間は、ポータブルトイレを使用するように勧める。
正答。最も適切です。
ベッド近くで排泄できるため、尿意が起こってからの移動時間を短縮し、失禁と転倒の予防につながります。

覚えるポイント

夜間の排泄失敗では、尿意、排尿時刻、移動能力、動線を確認します。

トイレまでの距離が課題なら、ポータブルトイレが有効です。

水分を自己判断で制限しません。

おむつは本人の能力と希望を踏まえ、必要最小限に使用します。

急な症状や排尿痛、血尿、発熱があれば、医療職へ報告して受診につなげます。

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