36Q96|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
介護福祉職が行うことができる、市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器{かんちょうき}を用いた排便の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.浣腸液{かんちょうえき}は、39℃~40℃に温める。
この問題のポイント
介護福祉職が、市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器を用いるときの、安全な準備、体位、注入、排便までの手順を確認する問題です。
浣腸液は冷たいまま使用せず、湯煎で39℃~40℃程度に温めます。冷たすぎると身体への刺激が強く、高温すぎると腸粘膜を傷つける危険があります。
解説
市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器による浣腸は、一定の条件の下で、原則として医行為ではない行為として介護職員が実施できる場合があります。ただし、利用者の状態が安定していること、事前に医療職が実施可能と確認していること、使用する製品・量・実施時期・異常時の連絡方法が定められていることが前提です。
実施前には、本人確認、説明と同意、排便状況、腹痛、吐き気、腹部膨満、肛門からの出血、普段と異なる様子がないかを確認します。浣腸器の種類、量、使用期限、破損の有無を確認し、すぐにトイレへ移動できる環境とプライバシーを整えます。
浣腸液は39℃~40℃程度に温めます。電子レンジは、容器の破損や温度むらの危険があるため使用せず、湯煎で温めます。
体位は、一般に身体の左側を下にした側臥位とし、膝を曲げます。腸の走行に沿って浣腸液が入りやすくなり、安全に挿入できます。立位で行うと、ふらつきや転倒だけでなく、ノズルによる腸の損傷につながる危険があります。
注入は、本人にゆっくり息を吐いてもらいながら、抵抗や痛みがないことを確認して行います。急速に注入すると、腹痛や強い便意、気分不良を招くことがあります。注入後は、可能であれば数分間保持してもらい、便意が生じたら安全に排便できるように支援します。
排便がないからといって、介護福祉職が自己判断で再度浣腸を行ってはいけません。排便の有無、便の性状、出血、腹痛、ふらつき、吐き気などを観察し、医療職へ報告します。
ひっかけポイント
正しい流れは、「約40℃に湯煎する、左側臥位、安全にゆっくり注入、可能なら数分保持、異常時や無効時は医療職へ報告」です。
介護実践でのポイント
浣腸は、便秘だからいつでも実施できる行為ではありません。強い腹痛、嘔吐、血便、腹部の著しい張り、普段と違う状態がある場合は実施せず、医療職へ報告します。
選択肢の確認
1.浣腸液{かんちょうえき}は、39℃~40℃に温める。
正答。最も適切です。
浣腸液は、冷刺激や熱による腸粘膜の損傷を避けるため、湯煎で39℃~40℃程度に温めます。
2.浣腸液{かんちょうえき}を注入するときは、立位をとるように声をかける。
誤り。
立位では転倒や腸の損傷の危険があります。一般に左側臥位で膝を曲げ、安全な姿勢で行います。
3.浣腸液{かんちょうえき}は、すばやく注入する。
誤り。
急速な注入は腹痛、強い便意、気分不良などを起こす可能性があります。本人の呼吸と反応を確認しながら、無理なく注入します。
4.浣腸液{かんちょうえき}を注入したら、すぐに排便するように声をかける。
誤り。
すぐに排便すると浣腸液が先に排出され、十分な効果が得られにくくなります。可能であれば数分間保持してもらいます。
5.排便がない場合は、新しい浣腸液{かんちょうえき}を再注入する。
誤り。
再注入を自己判断で行ってはいけません。排便の有無と体調を観察し、医療職へ報告して指示を受けます。
覚えるポイント
市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器は、約40℃に湯煎します。
実施前に医療職との取り決め、本人の状態、説明と同意を確認します。
立位ではなく、一般に左側臥位で行います。
注入は急がず、可能であれば数分間保持してから排便します。
排便がなくても再注入せず、観察・記録・医療職への報告を行います。