37Q102|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
Bさん(90歳、女性、要介護3)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)があり、介護老人福祉施設に入所している。テレビを見ることが好きで、日中はお茶を飲みながら、テレビを見て過ごすことが日課である。1週間前からBさんは、夜中に目が覚めたり、3時ごろに起きたりと、不眠が続いている。2時間ほどしか寝ていない日もある。ある日、Bさんは、「昼間、眠くてしかたがない。からだがだるい」と介護福祉職に話した。 次の記述のうち、Bさんに安眠を促すための介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.午前中、太陽の光を浴びることを勧める。
この問題のポイント
朝から午前中に光を浴びると体内時計が調整され、日中の覚醒と夜間の睡眠のリズムが整いやすくなります。
一方、長時間の昼寝、早すぎる就床、夜間のテレビ視聴は睡眠・覚醒リズムをさらに乱すことがあります。睡眠薬を介護福祉職の判断で勧めることもできません。
解説
睡眠と覚醒のリズムは、体内時計と、起きている時間に応じて高まる睡眠欲求によって調整されています。朝から午前中に太陽の光を浴びると体内時計が整い、日中は覚醒し、夜間は眠るという生活のメリハリをつけやすくなります。
Bさんは日中にテレビを見て過ごすことが日課であり、日光を浴びる機会や活動量が少ない可能性があります。本人の体調と希望を確認し、午前中に窓辺や屋外で光を浴びることを勧め、無理のない日中活動につなげることが適切です。毎日の起床時刻、食事、活動をできるだけ一定にすることも、睡眠・覚醒リズムの調整に役立ちます。
長い昼寝は夜間の睡眠欲求を弱めます。昼寝が必要な場合は、遅い時間を避け、30分程度までの短時間を目安にします。また、就寝前の明るい照明やテレビ画面は覚醒を促し、眠りにつきにくくする可能性があります。
Bさんは1週間前から急に不眠が続き、2時間ほどしか眠れない日や、日中の強い眠気、だるさもあります。生活習慣だけでなく、痛み、夜間頻尿、便秘、呼吸症状、感染、薬の影響、室温や騒音、不安、せん妄などが隠れていないか観察し、看護職や医師へ報告する必要があります。日中に飲むお茶の種類や時間も確認しますが、本人の楽しみを一律に取り上げず、必要に応じてカフェインの少ない飲み物へ変更するなど、一緒に考えます。
ひっかけポイント
昼間に眠いからと長く眠ってもらうと、夜間の睡眠がさらに浅くなることがあります。「眠れないなら睡眠薬」とすぐに考えず、原因の確認と生活リズムの調整を優先します。
介護実践でのポイント
就寝・起床時刻、中途覚醒、昼寝、日中活動、食事、飲み物、排泄、痛みなどを記録すると、原因を検討しやすくなります。認知症の症状と決めつけず、急な変化として多職種で共有します。
選択肢の確認
1.午前中、太陽の光を浴びることを勧める。
正しいです。 午前中の光は体内時計を調整し、日中の覚醒と夜間の睡眠のリズムを整えるのに役立ちます。Bさんの体調に合わせ、窓辺や屋外で無理なく光を浴びられるようにします。
2.昼間眠いときは、1時間以上の昼寝を勧める。
誤りです。 長時間の昼寝は夜間の睡眠欲求を弱め、中途覚醒や早朝覚醒を悪化させることがあります。昼寝が必要な場合は、遅い時間帯を避け、30分程度までの短時間にします。
3.夕食後、すぐに寝ることを勧める。
誤りです。 夕食後すぐに就床すると、寝床で過ごす時間が長くなり、夜中や早朝に目が覚めやすくなることがあります。本人の眠気を確認しながら、規則的で適切な就寝時刻を整えます。
4.寝る前に、介護福祉職の判断で睡眠薬を勧める。
誤りです。 介護福祉職が独自に睡眠薬の使用を判断することはできません。高齢者では眠気の持ち越し、ふらつき、転倒、認知機能への影響などにも注意が必要であり、原因を評価したうえで医師が処方し、指示に従って使用します。
5.夜眠れないときは、居室でテレビを見ることを勧める。
誤りです。 テレビの光や音、内容による刺激は覚醒を高め、再入眠を妨げる可能性があります。照明を抑え、安心できる静かな環境を整え、本人が落ち着ける方法を一緒に考えます。
覚えるポイント
- 午前中の光は体内時計を整え、夜間の睡眠を促す。
- 長い昼寝や遅い時間の昼寝は避け、必要なら30分程度までの短時間にする。
- 夜間は照明やテレビなどの刺激を減らす。
- 睡眠薬は介護福祉職の判断で勧めず、医師の指示に従う。
- 急に始まった不眠では、身体症状、薬、生活環境、せん妄などの原因を確認して多職種へ共有する。