37Q83|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、障害のある人への事故防止の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.在宅酸素療法中の人のそばでは、喫煙しない。
この問題のポイント
障害や治療内容に応じた事故防止策を、用具の目的と結びつけて判断する問題です。
事故防止では、病名や障害名だけで一律に環境を決めるのではなく、本人の動作能力、生活習慣、住環境、使用している医療機器などを具体的に確認します。
解説
在宅酸素療法では、酸素濃縮装置や酸素ボンベなどから酸素を供給します。酸素自体が燃えるわけではありませんが、物が燃えるのを強く助ける性質があります。そのため、使用中の本人の近くでは喫煙をせず、たばこ、ストーブ、ガスコンロ、ろうそくなどの火気を近づけません。本人だけでなく、家族や訪問者にも火気厳禁を共有する必要があります。
パーキンソン病では、動作緩慢、筋固縮、姿勢反射障害などにより、立ち上がりや方向転換が不安定になることがあります。低すぎるベッドは立ち上がりを難しくするため、本人の下肢機能や足底接地に合わせて高さを調整します。
認知症の人にガスコンロを一律に用意することは、事故防止にはなりません。本人の調理能力や習慣を確認し、安全装置付き機器、電磁調理器、見守りなどを組み合わせます。
視覚障害への環境調整では、通路を整理する、物の位置をむやみに変えない、段差や場所を言葉で伝える、色のコントラストを活用するなどが基本です。補高便座は、股関節や膝関節の動き、下肢筋力などのために低い便座から立ち上がりにくい人に用いるもので、聴覚障害への対応ではありません。
ひっかけポイント
福祉用具は、障害名ではなく「どの動作が難しいか」「何を安全にしたいか」に合わせて選びます。
介護実践でのポイント
在宅酸素療法中は、機器の取扱説明や医療職の指示を確認し、火気を避けます。チューブによるつまずき、鼻や耳周囲の皮膚トラブル、息苦しさなども観察し、異常時は医療職へ報告します。
選択肢の確認
1.パーキンソン病(Parkinson disease)の人には、低めのベッドを用意する。
誤り。
低すぎるベッドは立ち上がりを難しくすることがあります。足底が床につき、本人が安全に立ち上がれる高さを個別に調整します。
2.認知症(dementia)の人には、ガスコンロを用意する。
誤り。
ガスコンロは火災ややけどの危険があります。認知症があるという理由だけで一律に禁止または設置するのではなく、本人の能力を評価し、安全装置や見守りを含めた方法を検討します。
3.在宅酸素療法中の人のそばでは、喫煙しない。
正答。最も適切です。
酸素は燃焼を助けるため、たばこの火が衣服や寝具へ燃え移ると重いやけどや火災につながります。使用中の人の周囲は火気厳禁です。
4.視覚障害のある人には、洗体用に頭受け台を用意する。
誤り。
頭受け台は視覚障害に対する一般的な事故防止用具ではありません。視覚障害には、環境の整理、位置関係の説明、段差への配慮などを行います。
5.聴覚障害のある人には、補高便座を用意する。
誤り。
補高便座は、下肢筋力低下や股関節・膝関節の可動域制限などで、低い便座からの立ち座りが難しい人に用います。聴覚障害への用具ではありません。
覚えるポイント
在宅酸素療法中は、本人の周囲で喫煙せず、火気を近づけません。
ベッドや便座の高さは、立ち座りの能力に合わせます。
認知症の人の調理環境は、本人の能力と安全装置、見守りを組み合わせて考えます。
事故防止策は、病名ではなく具体的な生活動作と危険要因から選びます。