38Q108|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、介護計画の実施に関するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.利用者に支援内容を説明して同意を得る。
この問題のポイント
介護計画は、利用者の知らないところで支援者だけが実施するものではありません。
実施前に支援内容を説明して同意を得ること、実施中の反応を観察すること、実施後に事実を記録して評価へつなげることが重要です。
解説
介護計画は、アセスメントで明らかになった生活課題と目標に基づいて作成します。計画を実施するときは、利用者に支援の目的、内容、方法を分かりやすく説明し、同意を得ます。利用者は支援を受けるだけの存在ではなく、自分の生活と支援方法を選ぶ主体だからです。
認知症、失語、知的障害などによって言葉だけでは理解しにくい場合は、短い言葉、写真や実物、身ぶり、選択肢などを用い、本人が理解しやすいように説明します。表情やしぐさによる賛否も丁寧に確認し、意思決定を支えます。家族や他職種と相談する場合も、可能な限り本人の意思を中心にします。
介護計画の実施中は、利用者の安全、安楽、反応、できたこと、困難だったことを観察します。計画どおりに機械的に続けるのではなく、体調や希望に変化があれば、いったん中止・変更し、必要に応じてチームへ報告します。
記録は評価日までためず、実施後にできるだけ速やかに、観察した事実と利用者の反応を具体的に記載します。記録をチームで共有することで、目標の達成度、支援方法の適切性、計画を修正する必要性を評価できます。
他職種とのチーム実践は重要ですが、介護計画を他職種に任せるのではありません。介護福祉職は、利用者の生活をアセスメントし、本人と相談しながら介護計画を立案し、関係職種の計画とも調整して実施します。
ひっかけポイント
「計画に書いてあるから実施する」だけでは不十分です。説明と同意、実施中の観察、記録、評価までが一連の介護過程です。
介護実践でのポイント
利用者が一度同意した支援でも、その日の体調や気持ちによって希望が変わることがあります。実施のたびに声をかけ、拒否の背景を確認し、緊急性がない場面で無理に行わないことが尊厳の保持につながります。
選択肢の確認
1.利用者の実践状況は評価日にまとめて記録する。
適切ではありません。
記録を評価日までためると、経過や変化を正確に把握できません。実施後に速やかに、支援内容、利用者の反応、結果を具体的に記録します。
2.介護福祉職が結果に満足できるまで実践を続ける。
適切ではありません。
実践を続ける基準は介護福祉職の満足ではなく、利用者の目標、同意、安全、支援効果です。負担や状態変化があれば見直します。
3.介護福祉職の実践経験を積むことを目的にする。
適切ではありません。
介護計画の実施は、介護福祉職の訓練のためではなく、利用者が望む生活を実現するために行います。
4.他職種が立案した介護計画をチームで実践する。
適切ではありません。
多職種と連携して支援しますが、介護計画は介護福祉職が利用者とともに立案するものです。他職種が立案したものをそのまま実践するという説明は適切ではありません。
5.利用者に支援内容を説明して同意を得る。
正答。最も適切です。
利用者の自己決定を尊重するため、支援の目的と方法を理解しやすく説明し、同意を得てから実施します。
覚えるポイント
介護計画の実施前には、利用者へ説明して同意を得ます。
実施中は、安全、安楽、反応、できたことを観察します。
実施後は、事実を速やかに記録してチームで共有します。
評価は、利用者の目標達成度と支援方法の適切性を確認します。
本人の拒否や状態変化があれば、理由を確認して計画を柔軟に見直します。