38Q116第38回 介護福祉士国家試験 過去問

総合問題総合問題

次の事例を読んで、問題114から問題116までについて答えなさい。 〔事 例〕 Aさん(66歳、女性)は、一人息子と二人で暮らしている。会社の趣味サークルや地域活動に熱心に参加してきた。半年前に、長年勤めた仕事を定年退職して、継続雇用で週2日の勤務になった。その頃から不眠を訴え、疲れやすく気持ちが落ち込む日が増えてきた。しばらくすると、睡眠中に大声をあげたり、息子の部屋までふらふらと歩いてきたり、自室のカーテンの花柄が動いて怖いと話したりするようになった。近隣の大学病院を受診した結果、手足の震え、小刻みな歩行、顔のこわばりなどがみられ、レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の診断を受けた。 Aさんは、趣味活動や自宅で息子と過ごすことを優先し、これからの生活を楽しみたいと考えて、仕事を辞めた。そして、安全に歩く力を維持するために介護サービスを活用しようと考えた。Aさんは要支援2の認定を受けて、介護予防通所リハビリテーションの利用を始めた。 サービス利用開始から2か月後、担当介護支援専門員(介護福祉士)はモニタリングを行うために、Aさんの自宅を訪れた。Aさんは、「もっとほかの人と交流したいが、自宅で生活しながら利用できると安心だ。とにかく息子に心配をかけずに一緒に暮らしていきたい」と語った。 息子は、「最近仕事が忙しくなり、今後泊まりの出張もあるので、リハビリ以外のサービスもうまく使ってほしい」と語った。 次のうち、Aさんに利用を勧めるサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 4

正答

4.介護予防小規模多機能型居宅介護

この問題のポイント

本人と家族が述べた希望を整理し、それらを最もよく満たすサービスを選びます。

Aさんは、自宅で息子と暮らし続けながら、ほかの人と交流したいと希望しています。息子には泊まりの出張があり、通所リハビリテーション以外の支援も必要です。「通い」「訪問」「宿泊」を柔軟に組み合わせられる介護予防小規模多機能型居宅介護が適しています。

解説

介護予防小規模多機能型居宅介護は、要支援者が可能な限り住み慣れた自宅で自立した生活を続けられるよう、「通い」を中心に、本人の状態や希望に応じて「訪問」と「宿泊」を組み合わせて提供する地域密着型介護予防サービスです。

Aさんには、次のニーズがあります。

  • 自宅で息子と一緒に暮らし続けたい。
  • ほかの人と交流したい。
  • 安全に生活し、息子に過度な心配をかけたくない。
  • 息子が仕事や泊まりの出張で不在になるときにも支援を受けたい。

介護予防小規模多機能型居宅介護であれば、通いによって他者との交流や日中活動の機会を持ち、自宅では必要に応じて訪問支援を受け、息子の泊まりの出張時などには宿泊を利用することができます。一つの事業所が状況に応じてサービスを組み合わせるため、なじみの職員や環境との関係を築きやすいことも、症状に変動のあるAさんの安心につながります。

サービスの選択では、息子の都合だけで決めるのではなく、Aさんの意思を中心に据えます。利用方法、宿泊時の環境、費用、地域の事業所の状況、現在のサービスとの給付調整などを説明し、Aさんが理解しやすい方法で選択を支援することが重要です。

選択肢の確認

1.介護予防認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)

誤りです。 認知症の人が少人数で共同生活を送る居住系サービスです。Aさんは自宅で息子と暮らし続けたいと明確に希望しているため、現時点で転居を伴うサービスを優先するのは適切ではありません。

2.日常生活自立支援事業

誤りです。 判断能力が十分でない人に対し、福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理、書類等の預かりなどを行う事業です。Aさんが求める他者との交流、息子の不在時の介護、宿泊への対応を行うサービスではありません。

3.訪問介護(ホームヘルプサービス)

誤りです。 自宅で日常生活上の援助を受けることはできますが、通いによる他者との交流や宿泊を一体的に提供するサービスではありません。また、介護給付としての訪問介護は原則として要介護者が対象であり、要支援者の訪問型支援は総合事業などで検討します。

4.介護予防小規模多機能型居宅介護

正しいです。 要支援者を対象に、通い、訪問、宿泊を柔軟に組み合わせます。自宅での生活を続けたい、他者と交流したい、息子の泊まりの出張時にも安心できる支援がほしいというAさんの複数の希望に対応できます。

5.介護予防・生活支援サービス事業の通所型サービス

誤りです。 通所による交流や介護予防には役立ちますが、息子が泊まりで不在になるときの宿泊や、自宅への訪問を一体的に提供するものではありません。Aさんのニーズ全体への対応としては不十分です。

覚えるポイント

  • 介護予防小規模多機能型居宅介護は、要支援者に「通い」「訪問」「宿泊」を組み合わせて提供する。
  • 中心となる目的は、住み慣れた自宅や地域での生活を継続すること。
  • 通いは交流と日中活動、訪問は自宅での支援、宿泊は家族不在時などの安心につながる。
  • サービスは家族の都合だけで決めず、本人の意思、希望、生活歴を中心に選ぶ。
  • 認知症の人には、なじみの職員や環境との継続した関係が安心につながる。

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