38Q38|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、歩行が不安定になり、移動の意欲が低下している利用者に対する介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.成功体験を積み重ねることができるように、達成可能な歩行の目標距離を設定する。
この問題のポイント
歩行能力だけを鍛えるのではなく、利用者の意欲と自信を支えながら、安全に達成できる目標を本人と設定する自立支援の考え方を問う問題です。
歩行が不安定になった人に、難しすぎる課題や一方的な制限を与えると、失敗や不安が増え、移動への意欲がさらに低下することがあります。
解説
達成可能な短い距離から始め、できた経験を積み重ねると、「自分にもできる」という自信につながります。目標は介護福祉職が一方的に決めるのではなく、本人の希望、体調、歩行能力、転倒歴、生活環境を確認して一緒に設定します。
距離だけを目的にするのではなく、「食堂まで行く」「庭の花を見る」など、本人にとって意味のある移動先と結びつけると、取り組む理由がわかりやすくなります。達成後は本人と振り返り、状態に合わせて少しずつ目標を調整します。
杖、歩行器、手すりなどの福祉用具は、自力歩行を妨げるものではありません。適切に選べば、安全性を高め、行動範囲を保ち、本人ができることを増やす手段になります。必要に応じて看護職やリハビリテーション専門職と連携します。
介護実践でのポイント
歩行前には、痛み、めまい、息切れ、血圧変動、履物、床面、補助具の状態を確認します。成功体験を優先しても、安全を確認せずに挑戦させることはありません。
選択肢の確認
1.福祉用具の使用は避けて、自力での歩行を目指すように促す。
誤り。
福祉用具は、本人の残存機能を活かしながら安全に移動するための手段です。使用を一律に避けると、転倒の危険や活動範囲の縮小につながります。
2.移動の目的を伝えるよりも、歩行機能の改善を優先する。
誤り。
歩行は、行きたい場所へ行き、生活や社会参加を実現するための手段です。機能訓練だけを優先せず、本人にとって意味のある目的と結びつけます。
3.成功体験を積み重ねることができるように、達成可能な歩行の目標距離を設定する。
正しい。
本人の状態に合った達成可能な目標は、成功体験と自信を生み、移動への意欲を支えます。目標は本人と相談し、安全に配慮して設定します。
4.歩行の不安定さに合わせて、移動範囲を縮小する。
誤り。
危険への対策は必要ですが、一律に範囲を縮小すると、活動量の低下、廃用、生活の楽しみや参加機会の減少につながります。環境調整や福祉用具で安全な移動方法を検討します。
5.本人が希望しなくても、介護福祉職の判断で毎日歩くことを目標にする。
誤り。
本人の意思を無視した目標は自己決定を損ない、意欲低下につながります。体調や希望を確認し、本人と合意できる目標を設定します。
覚えるポイント
目標は、本人にとって意味があり、安全に達成できる小さな段階から設定します。
福祉用具は自立を妨げるものではなく、安全と活動を支える道具です。
機能だけでなく、活動、参加、本人の希望を結びつけて支援します。