8AM31|第8回 公認心理師国家試験 過去問
E. H. Sutherland が提唱した分化的接触理論の内容として、適切なものを1つ選べ。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、E. H. Sutherland の分化的接触理論の内容が問われています。
キーワードは、「犯罪行動は学習される」「他者との相互作用」「コミュニケーション」です。
解説
分化的接触理論は、犯罪行動を、生まれつきの性質ではなく、他者との相互作用を通して学習されるものとして説明します。
Sutherland は、犯罪行動は親しい集団の中で、コミュニケーションを通して学習されると考えました。学習されるのは、犯罪の技術だけではありません。法を破ることを正当化する考え方、犯罪を許容する価値観、違法行為に好意的な態度なども含まれます。
そのため、犯罪に至るかどうかは、法違反に好意的な定義と、法遵守に好意的な定義のどちらにより多く接触するかに影響されると考えます。
司法・犯罪領域のポイント
分化的接触理論は、「犯罪は他者との相互作用の中で学習される」と押さえます。社会的絆理論、緊張理論、中和の技術、非行下位文化論と区別します。
選択肢の確認
1.犯罪に至らないのは、犯罪を抑止する社会的な繋がりが関連している。
判定:適切とはいえない。
これは、Hirschi の社会的絆理論に近い説明です。家族、学校、仕事などとの結びつきが犯罪を抑止するという考え方であり、Sutherland の分化的接触理論とは異なります。
2.犯罪行動は、コミュニケーションの過程で他者との相互作用によって学習される。
判定:最も適切。
分化的接触理論では、犯罪行動は親しい他者との相互作用やコミュニケーションを通して学習されると考えます。問題文の理論内容に合致します。
3.非行少年は、自身の非行が違法であることを認識しており、自らの行為を正当化して非行に至る。
判定:適切とはいえない。
これは、Sykes と Matza の中和の技術に近い説明です。違法性を認識しながら、責任否定や被害否定などによって自分の行為を正当化する考え方です。
4.非行少年は、自らの社会的地位に対する不満から、特有の文化を共有する非行集団内での地位向上のため非行に至る。
判定:適切とはいえない。
これは、Cohen の非行下位文化論や地位欲求不満に関係する説明です。分化的接触理論の中心である、犯罪行動の学習とは焦点が異なります。
5.犯罪者は、経済的成功という目標を合法的手段で達成できない状態から逃れるために、犯罪によってでも目標を達成しようとする。
判定:適切とはいえない。
これは、Merton の緊張理論、またはアノミー理論に近い説明です。文化的目標と合法的手段の不一致が逸脱行動を生むと考えます。
覚えるポイント
- 分化的接触理論は、犯罪行動が他者との相互作用で学習されると考えます。
- 犯罪の技術だけでなく、犯罪を正当化する価値観も学習されます。
- 社会的絆理論、緊張理論、中和の技術、非行下位文化論と区別します。