8AM74|第8回 公認心理師国家試験 過去問
精神疾患とその治療-11 解離症・身体症状症・病気不安
63 歳の女性A、元会社員。夫と二人暮らしである。下肢の痛み治療を希望してペインクリニックを受診した。Aによると、以前に総合病院整形外科を受診したが、症状に改善はなく、自ら治療を中断した。しかし、最近、痛みがひどくなり、歩けなくなるのではないかと不安で、緊張状態が続いている。家事は夫が行っており、Aはなるべく安静にしているが、無理に動こうとして痛みが強くなることがある。その後、主治医の指示で公認心理師Bが心理的支援の担当となった。 ``` BのAへの対応として、不適切なものを1つ選べ。
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正解: 3
## 正答
3
## この問題のポイント
この問題では、慢性疼痛への心理的支援において、不安や回避を強めず、**痛みを管理しながら生活機能を保つ**考え方が問われています。
「不適切なもの」を選ぶ問題なので、正答は慢性疼痛支援として避けるべき対応です。
## 解説
Aは下肢の痛みがあり、「歩けなくなるのではないか」と不安を抱き、緊張状態が続いています。家事は夫が行い、Aはなるべく安静にしていますが、無理に動くと痛みが強くなることがあります。
慢性疼痛の支援では、痛みを完全になくすことだけに焦点づけるのではなく、痛みを管理しながら生活機能を維持・回復する視点が重要です。
認知再構成法では、「歩けなくなるのではないか」といった破局的認知を検討し、より現実的な捉え方を形成します。漸進的筋弛緩法は、緊張や不安を和らげ、痛みの悪循環を緩めるために役立ちます。
一方、日常生活動作を段階的に縮小させることは不適切です。活動を減らし続けると、体力や筋力が低下し、痛みへの恐怖や回避が強まり、生活範囲がさらに狭くなる悪循環が生じます。支援では、無理のない範囲で活動を段階的に調整し、少しずつ生活機能を広げることが重要です。
> 医療・保健領域のポイント
> 慢性疼痛では、痛み、不安、緊張、活動回避、体力低下が悪循環を作ります。完全な安静ではなく、痛みを管理しながら活動を調整することが大切です。
## 選択肢の確認
1.認知再構成法を実施する。
判定:適切。
「歩けなくなるのではないか」という不安や破局的認知が痛みの苦痛を強めることがあります。認知再構成法で考え方を検討することは適切です。
2.漸進的筋弛緩法を提案する。
判定:適切。
Aは緊張状態が続いています。漸進的筋弛緩法は、身体の緊張を緩め、痛みや不安の悪循環を和らげる方法として有用です。
3.日常生活動作を段階的に縮小させる。
判定:正答。適切でない。
日常生活動作を縮小し続けると、活動量が低下し、体力低下や回避の強化につながります。慢性疼痛支援では、活動を過度に避けるのではなく、痛みを管理しながら段階的に生活機能を保つことが重要です。
4.痛みを管理するという方針で対応する。
判定:適切。
慢性疼痛では、痛みを完全に消すことだけを目標にせず、痛みを管理しながら生活の質と活動性を高める方針が重要です。
## 覚えるポイント
* 慢性疼痛支援では、痛みを管理しながら生活機能を保つことが重要です。
* 認知再構成法やリラクセーションは、不安や緊張への支援になります。
* 活動を縮小し続ける対応は、回避と機能低下を強めるため不適切です。