8PM141第8回 公認心理師国家試験 過去問

精神疾患とその治療-10 睡眠障害

32歳の女性A、会社員。妊娠8か月。妊婦健康診査のために訪れた産科クリニックで、不眠といらいら感を訴えた。Aによると、夕方から夜間にかけて、両下肢に痛みや痒みを感じ、不快感で眠れないという。足を動かすとその感覚は和らぐが、じっとしていると悪化する。これらの症状は、夕方から深夜に顕著で、日中はほとんど感じない。熟眠感に乏しく、昼間に眠気や疲労、集中力の低下を感じることがある。会社での仕事にも支障を来しており、産前休業より前に有給休暇を取得することについて、会社の上司と相談している。妊娠するまでは、このような症状はなかったという。 ``` Aの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。

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正解: 4


## 正答

4

## この問題のポイント

この問題では、妊娠中に出現した下肢の不快感、不眠、夕方から夜間に悪化し、動かすと軽くなるという特徴から、**むずむず脚症候群**を判断することが問われています。

事例のキーワードは、「両下肢の痛みや痒み」「足を動かすと和らぐ」「じっとしていると悪化」「夕方から深夜に顕著」です。

## 解説

**むずむず脚症候群**は、脚に不快な感覚が生じ、脚を動かしたい強い欲求が起こる状態です。安静時に悪化し、動かすと軽くなり、夕方から夜間に症状が強くなることが特徴です。

Aは妊娠8か月で、夕方から夜間に両下肢の痛みや痒みを感じ、不快感で眠れません。足を動かすと感覚は和らぎ、じっとしていると悪化します。日中はほとんど感じず、夜間に顕著です。

この特徴はむずむず脚症候群に合致します。妊娠中には、鉄欠乏などの影響も含めてむずむず脚症候群が生じることがあります。

支援では、妊婦の睡眠不足や疲労、仕事への支障を心理的問題だけに還元せず、身体疾患や妊娠に伴う状態として医療的評価につなぐことが重要です。

> 周産期支援のポイント
> 妊娠中の不眠やいらいらは、うつ病や不安だけでなく、身体症状や睡眠関連疾患が背景にあることがあります。症状の時間帯、誘因、軽減要因を確認します。

## 選択肢の確認

1.アカシジア
判定:適切とはいえない。
アカシジアは、抗精神病薬などの副作用としてみられる、じっとしていられない強い焦燥感や運動不穏です。本事例では薬剤使用の情報はなく、下肢症状が夜間に悪化し動かすと軽くなるため、むずむず脚症候群が適切です。

2.ジストニア
判定:適切とはいえない。
ジストニアは、不随意的で持続的な筋収縮により異常姿勢やねじれが生じる症状です。Aの症状は異常姿勢ではなく、下肢の不快感と動かしたい感覚が中心です。

3.周産期うつ病
判定:適切とはいえない。
周産期うつ病では、抑うつ気分、興味や喜びの低下、不眠、疲労、罪責感などがみられます。Aには不眠やいらいらがありますが、下肢の不快感が安静で悪化し、運動で軽快するという身体症状が中心です。

4.むずむず脚症候群
判定:最も適切。
下肢の不快感が夕方から夜間に悪化し、じっとしていると強まり、足を動かすと軽くなるという特徴は、むずむず脚症候群に合致します。

5.睡眠時無呼吸症候群
判定:適切とはいえない。
睡眠時無呼吸症候群では、いびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気、起床時頭痛などがみられます。Aには下肢の不快感と運動による軽減があり、むずむず脚症候群が適切です。

## 覚えるポイント

* **むずむず脚症候群**は、脚の不快感、動かしたい欲求、安静時悪化、運動で軽快、夕方から夜間に悪化が特徴です。
* 妊娠中にもみられることがあります。
* 不眠を心理的問題だけで説明せず、身体症状や睡眠関連疾患を確認します。

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