9AM14|第9回 公認心理師国家試験 過去問
生後間もなくから、子どもが養育者の言葉かけに応じて身体を動かしたり、子どもの声に養育者がほほ笑んだりする同調的な相互作用を表す用語として、最も適切なものを 1 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、乳児と養育者の早期相互作用を表すエントレインメントが問われています。
手がかりは、生後間もなくからみられる、子どもと養育者のリズムの合った同調的なやりとりです。
解説
エントレインメントは、乳児と養育者の間でみられる、リズムを合わせるような同調的相互作用を指します。
例えば、養育者が語りかけると乳児が手足を動かす、乳児の発声に養育者が笑顔で応答する、声や表情や身体の動きがタイミングよくかみ合うといったやりとりです。
このような相互作用は、生後早期からのコミュニケーションの土台になります。乳児はまだ言葉を話せなくても、養育者との表情、声、身体運動のやりとりを通して、対人関係のリズムを経験しています。
ひっかけポイント
共同注意や社会的参照は、発達が進んでから重要になる対人理解です。本問の「生後間もなく」「同調的な相互作用」という表現から、エントレインメントを選びます。
公認心理師の発達理解では、乳児の行動だけでなく、養育者との相互作用を観察することが重要です。早期の親子関係や愛着形成を理解するうえでも、非言語的なやりとりに注目します。
選択肢の確認
1.共同注意
判定:誤り。
共同注意は、子どもと他者が同じ対象に注意を向け、その対象について注意を共有することです。指さしや視線の共有などに関係します。本問の生後間もなくからみられる身体運動や表情の同調的相互作用とは異なります。
2.情動伝染
判定:誤り。
情動伝染は、他者の感情表出に影響されて、自分にも似た感情が生じる現象です。泣いている子につられて泣くような例が挙げられます。本問は感情がうつることではなく、養育者と乳児のリズムの合った相互作用を問うています。
3.社会的参照
判定:誤り。
社会的参照は、不確かな状況で、他者の表情や反応を手がかりに自分の行動を調整することです。例えば、見慣れない物に近づくかどうかを母親の表情を見て判断する場合です。本問の生後間もなくからの同調的相互作用とは異なります。
4.マザリーズ
判定:誤り。
マザリーズは、養育者が乳児に向けて話すときにみられる、高めの声、抑揚の大きさ、ゆっくりした話し方などの特徴を指します。養育者側の話しかけ方の特徴であり、乳児と養育者が互いに同調する相互作用全体を表す用語ではありません。
5.エントレインメント
判定:最も適切。
エントレインメントは、乳児と養育者の間で、声、表情、身体の動きなどがリズムを合わせるように同調する相互作用を指します。本問の説明に合致します。
覚えるポイント
- エントレインメントは、乳児と養育者の同調的な相互作用です。
- マザリーズは、乳児に向けた特徴的な話しかけ方です。
- 共同注意は、他者と同じ対象に注意を向けることです。
- 社会的参照は、他者の反応を手がかりに行動を調整することです。
- 乳児期の発達では、言葉の前に非言語的な相互作用が重要になります。