9AM16|第9回 公認心理師国家試験 過去問
クライエントの負担と検査結果の信頼性を考慮し、テストバッテリーの実施を控えるべき状態として、最も適切なものを 1 つ選べ。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、心理検査を実施する際の適応判断が問われています。
テストバッテリーは複数の検査を組み合わせるため、クライエントの負担が大きくなりやすく、検査結果の信頼性にも注意が必要です。
解説
テストバッテリーとは、目的に応じて複数の心理検査を組み合わせ、クライエントを多面的に理解する方法です。知能、記憶、注意、人格、症状、生活機能などを組み合わせて評価します。
ただし、心理検査はいつでも実施すればよいわけではありません。急性期や症状が強く不安定な時期には、検査への集中が難しかったり、疲労や混乱が強まったりします。その結果、クライエントの負担が大きくなり、得られた結果の信頼性も低下します。
本問では、統合失調症の再燃期が最も適切です。再燃期には、幻覚、妄想、思考のまとまりにくさ、不安、興奮、睡眠障害などが強くなっている可能性があります。この時期に複数の検査を行うと、本人の負担が大きく、結果も状態依存的になりやすいため、実施を控える判断が必要です。
公認心理師としての注意点
心理検査では、検査を実施すること自体が支援になるとは限りません。本人の状態、目的、同意、疲労、リスク、結果の活用可能性を確認して実施時期を判断します。
状態が安定してから、主治医や多職種と連携し、必要性と負担を検討したうえで検査を計画することが重要です。
選択肢の確認
1.認知症の初期
判定:適切とはいえない。
認知症の初期では、認知機能の状態を把握するために心理検査や神経心理学的検査が有用な場合があります。疲労や不安への配慮は必要ですが、テストバッテリーの実施を控えるべき状態として最も適切とはいえません。
2.うつ病の回復期
判定:適切とはいえない。
うつ病の回復期では、症状が安定してきた段階で、認知機能、性格傾向、復職支援上の課題などを検討するために検査が行われることがあります。無理のない実施は必要ですが、再燃期の統合失調症ほど実施を控えるべき状態とはいえません。
3.不安障害の寛解期
判定:適切とはいえない。
寛解期は症状が軽快または安定している時期です。不安への配慮は必要ですが、検査結果の信頼性や本人の負担を考えると、実施を控えるべき状態として最も適切ではありません。
4.統合失調症の再燃期
判定:最も適切。
統合失調症の再燃期には、幻覚、妄想、思考の混乱、不安、興奮などが強くなっている可能性があります。この時期にテストバッテリーを実施すると、負担が大きく、検査結果の信頼性も低下しやすいため、実施を控える状態として最も適切です。
5.高次脳機能障害の亜急性期
判定:適切とはいえない。
高次脳機能障害の亜急性期では、状態に応じて認知機能評価やリハビリテーション方針の検討が必要になる場合があります。疲労や病状への配慮は必要ですが、選択肢の中で最も実施を控えるべき状態は統合失調症の再燃期です。
覚えるポイント
- テストバッテリーは、複数の検査を組み合わせて多面的に評価する方法です。
- 急性期や再燃期など状態が不安定な時期は、負担が大きく結果の信頼性も下がります。
- 心理検査では、目的、同意、状態、疲労、結果の活用可能性を確認します。
- 統合失調症の再燃期では、まず症状の安定と安全確保を優先します。