9AM48|第9回 公認心理師国家試験 過去問
交通事故などで損傷を受けた場合、遂行機能障害を生じる可能性が高い脳の領野として、最も適切なものを 1 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、遂行機能と関係の深い脳領域が問われています。
計画、抑制、切り替え、問題解決、見通しをもった行動などに関わるのは、主に前頭連合野です。
解説
遂行機能とは、目的に向けて行動を計画し、状況に応じて調整し、不要な反応を抑制しながら実行する働きです。
遂行機能には、次のような能力が含まれます。
- 計画を立てる。
- 優先順位を決める。
- 衝動を抑える。
- 注意を切り替える。
- 問題を解決する。
- 行動の結果を予測する。
これらは、前頭葉の中でも前頭連合野と深く関係します。交通事故や頭部外傷で前頭連合野に損傷があると、知能検査の成績が大きく低下していなくても、日常生活では段取りが悪い、衝動的、同じ失敗を繰り返す、社会的判断が難しいなどの困難が生じることがあります。
アセスメントの視点
遂行機能障害では、検査結果だけでなく、日常生活での行動、仕事や学校での困難、家族からの情報を合わせて評価することが重要です。
高次脳機能障害の支援では、本人の努力不足と誤解せず、環境調整、手順化、メモやスケジュールの活用、家族支援、多職種連携を行います。
選択肢の確認
1.後頭連合野
判定:誤り。
後頭連合野は、視覚情報の処理や視覚認知に関係します。損傷により視覚失認などが問題になることがありますが、遂行機能障害と最も関連が深い領域ではありません。
2.前頭連合野
判定:最も適切。
前頭連合野は、計画、判断、抑制、柔軟な切り替え、問題解決などの遂行機能に深く関わります。交通事故などで損傷を受けると遂行機能障害を生じる可能性が高いため、本問の正答です。
3.側頭連合野
判定:誤り。
側頭連合野は、聴覚情報、言語理解、記憶、物体認知などに関係します。損傷により記憶障害や聴覚・言語関連の問題が生じることがありますが、遂行機能障害の中心領域としては前頭連合野が適切です。
4.頭頂連合野
判定:誤り。
頭頂連合野は、空間認知、身体感覚の統合、注意などに関係します。損傷により半側空間無視、構成障害、失行などがみられることがあります。遂行機能障害と最も関連する領域ではありません。
覚えるポイント
- 遂行機能は、計画、抑制、切り替え、問題解決に関わります。
- 遂行機能と関係が深いのは、前頭連合野です。
- 前頭葉損傷では、検査成績だけでなく日常生活上の困難が重要になります。
- 高次脳機能障害では、環境調整と多職種連携が支援の鍵になります。