9AM70|第9回 公認心理師国家試験 過去問
62 歳の男性A、86 歳の母親Bと二人暮らし。Aは、同じく高齢の親と同居している友人に誘われ、自宅近くに出来た認知症カフェを訪れた。スタッフCが家族の近況について尋ねると、Aは「Bは元気にしており、要介護認定はまだ受けていない」と語った。一方で、気がかりなこととして、 1 年ほど前からBは、火を点けたままで鍋を放置したり、財布や鍵を無くしたりすることが少しずつ増えている。また、Aが物忘れを指摘すると、「そんなことはない」と怒り出し、けんかになることもある。食事や入浴は、現時点では自立しているという。 CがAに提案すべきサービスや機関として、最も適切なものを 1 つ選べ。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、認知症が疑われる高齢者と家族が、まだ要介護認定を受けていない段階で相談すべき機関として、地域包括支援センターを選べるかが問われています。
B は食事や入浴は自立していますが、火の不始末、財布や鍵の紛失、物忘れの指摘への怒りがあり、A は介護や安全面への不安を抱えています。
解説
地域包括支援センターは、高齢者の総合相談窓口です。介護予防、権利擁護、認知症支援、介護保険サービス利用の相談、家族支援、地域資源の紹介などを行います。
本事例では、B は 86 歳で、1年ほど前から火を点けたまま鍋を放置する、財布や鍵をなくすことが増えるなど、認知機能低下が疑われる変化があります。食事や入浴は現時点で自立しているため、すぐに施設入所や介護サービス利用を決める段階とは限りません。
また、A が物忘れを指摘すると B が怒り、けんかになることもあります。家族だけで対応しようとすると、関係が悪化したり、火の不始末などの安全リスクが高まったりする可能性があります。
この段階では、まず地域包括支援センターに相談し、認知症の相談、医療受診へのつなぎ、要介護認定の申請、介護予防サービスや地域資源の利用、家族への助言を受けることが適切です。
事例問題で見るポイント
高齢者支援では、認知機能、ADL、IADL、安全リスク、家族の介護負担、要介護認定の有無を整理します。
公認心理師としての注意点
認知症が疑われる場合、本人を責めたり説得だけで解決しようとしたりせず、家族支援と地域資源の活用を考えます。火の不始末などの安全面は早めに共有します。
認知症カフェは家族が相談につながる大切な場ですが、具体的な制度利用や地域の支援調整につなぐには、地域包括支援センターが最も適切です。
選択肢の確認
1.特別養護老人ホーム
判定:誤り。
特別養護老人ホームは、常時介護が必要で在宅生活が困難な高齢者が入所する施設です。B は食事や入浴が自立しており、要介護認定もまだ受けていません。現段階で最初に提案すべきものとしては適切ではありません。
2.地域包括支援センター
判定:最も適切。
地域包括支援センターは、高齢者の総合相談窓口です。認知症が疑われる変化、火の不始末、家族の対応困難、要介護認定の未申請という状況から、まず相談先として提案する機関として最も適切です。
3.小規模多機能型居宅介護
判定:誤り。
小規模多機能型居宅介護は、通い、訪問、泊まりを組み合わせて在宅生活を支える介護保険サービスです。利用には要介護認定などが関係します。現段階では、まず地域包括支援センターに相談し、必要なサービスや申請手続きを検討することが適切です。
4.訪問リハビリテーション
判定:誤り。
訪問リハビリテーションは、医師の指示に基づき、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが自宅でリハビリテーションを行うサービスです。本事例では、身体機能のリハビリテーションが主な課題として示されていません。
5.介護予防通所リハビリテーション
判定:誤り。
介護予防通所リハビリテーションは、要支援者などを対象に、通所でリハビリテーションを行うサービスです。B は要介護認定をまだ受けておらず、まずは地域包括支援センターで相談し、必要に応じて認定申請やサービス利用を検討する段階です。
覚えるポイント
- 地域包括支援センターは、高齢者の総合相談窓口です。
- 要介護認定前でも、認知症や介護不安について相談できます。
- 火の不始末は安全リスクとして早めに対応を検討します。
- 認知症支援では、本人への配慮、家族支援、医療受診、介護保険申請、地域資源の活用を組み合わせます。