9PM82|第9回 公認心理師国家試験 過去問
研究において、予想していなかった結果を初めから予測していたかのように報告することを表す用語として、最も適切なものを 1 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、研究倫理や研究法に関する用語として、HARKingの意味が問われています。
予想していなかった結果を、最初から予測していた仮説であるかのように報告することがポイントです。
解説
HARKingは、Hypothesizing After the Results are Known の略です。結果を見た後で仮説を作り、それを事前に立てていた仮説であるかのように報告する行為を指します。
探索的に見つかった結果を報告すること自体が悪いわけではありません。問題なのは、探索的分析の結果であるにもかかわらず、事前仮説に基づく検証的研究であったかのように見せることです。
これにより、研究の透明性が損なわれ、結果の再現可能性や信頼性が低下します。
研究倫理上のポイント
研究では、事前に設定した仮説、探索的に見つかった結果、追加分析を区別して報告することが重要です。
HARKing は、ひょう窃やねつ造とは異なりますが、研究報告の誠実性に関わる問題です。
選択肢の確認
1.ひょう窃
判定:誤り。
ひょう窃は、他者の文章、研究成果、アイデア、データなどを適切な引用や明示なしに自分のものとして用いることです。本問のように、結果を見た後に仮説を作って事前仮説のように報告することではありません。
2.HARKing
判定:最も適切。
HARKing は、結果が分かった後で仮説を作り、それを初めから予測していたかのように報告することです。本問の説明に合致します。
3.p-hacking
判定:誤り。
p-hacking は、有意な p 値が得られるまで分析方法、除外基準、変数の扱いなどを操作するような不適切な研究実践を指します。HARKing と同じく研究の透明性を損ないますが、本問の説明とは異なります。
4.結果のねつ造
判定:誤り。
結果のねつ造は、実際には得られていないデータや結果を作り出す不正行為です。本問では結果そのものを作り出すことではなく、結果を見た後で仮説を作ることが問われています。
5.出版バイアス
判定:誤り。
出版バイアスは、有意な結果や望ましい結果が得られた研究ほど出版されやすく、否定的結果や非有意な結果が公表されにくい偏りを指します。本問の HARKing とは異なります。
覚えるポイント
- HARKingは、結果を知った後で仮説を作り、事前仮説のように報告することです。
- 探索的分析と検証的分析は区別して報告します。
- p-hacking は、有意な結果を得るために分析を不適切に操作することです。
- ひょう窃、ねつ造、出版バイアスとの違いを整理します。