36Q92|第36回 社会福祉士国家試験 過去問
次の事例を読んで、福祉事務所に勤務するK職員(社会福祉士)が取り組む様々な対応のうち、メゾレベルの対応として、適切なものを2つ選びなさい。 〔事 例〕 L民生委員は、Mさん(45歳)の件で市の福祉事務所を訪れ、Kに相談をした。Mさんは勤め先を3年前に人員整理で解雇されてからは仕事をせず、親が残してくれた自宅で一人、昼夜逆転の生活をしているとのことであった。現時点では、Mさんには緊急の要保護性は感じられないが、仕事をしておらず、生活費が底をつく心配がある。Mさんは「今すぐに仕事をする自信はないが、今後に備えて相談をしたい」と望んでおり、Mさんの了解のもとに相談に訪れたとのことであった。
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正解: 4・5
正答
4、5
この問題のポイント
ミクロは本人への直接支援、メゾは組織・機関・小地域や機関間関係への働き掛け、マクロは制度・政策・広域社会への働き掛けとして、行為の対象を見分ける。
解説
メゾレベルは、個人と広域的な制度・社会の中間にある組織、関係機関、近隣、小地域などを対象とする。市内の事業所から自立相談支援事業の実施状況を収集する行為は、地域の機関・サービスネットワークを把握し調整する取組である。また、同様事例の今後の支援を福祉事務所内で検討することは、組織としての対応力や支援方法を整える取組であり、いずれもメゾレベルである。Mさんとの援助関係形成や個別制度利用の助言は本人へ直接働き掛けるミクロレベルである。国に制度課題を提示することは、全国的な制度・政策の変更を目指すマクロレベルに当たる。
選択肢の確認
1.中高年を対象とする就労支援制度の課題を、所属機関を通して国に提示する。
誤り。国の就労支援制度という広範な政策・制度の改善へ働き掛ける行為であり、組織・小地域を対象とするメゾではなくマクロレベルである。
2.相談意欲のあるMさんと相談援助の関係を樹立する。
誤り。個人であるMさんとの専門的援助関係を形成する直接支援なので、個人・家族を対象とするミクロレベルの対応である。
3.Mさんに対して、生活費を確保するために、不動産担保型生活資金を検討するよう勧める。
誤り。制度選択の妥当性は別として、Mさん個人へ資金制度の利用を直接勧める行為は、対象が本人であるためミクロレベルである。
4.市内の事業所に対して、Mさんのような中高年者が利用可能な自立相談支援に関する事業の実施状況の情報を収集する。
正しい。市内の複数事業所という地域の組織・機関を対象に社会資源の実施状況を把握するため、メゾレベルの対応である。
5.L民生委員からの情報をもとに、同様の事例に関する今後の支援について、所内で検討する。
正しい。一事例だけの処遇決定にとどまらず、同様事例への組織的対応を福祉事務所内で検討するため、メゾの組織レベルに当たる。
覚えるポイント
「本人へ直接」はミクロ、「所内・市内事業所・小地域」はメゾ、「国の制度・政策」はマクロ。働き掛ける対象の広がりで分類する。