38Q113|第38回 社会福祉士国家試験 過去問
事例を読んで、次の記述のうち、就労継続支援A型事業所のA生活支援員(社会福祉士)が、Bさんの生活に関わる家族システムの好循環を意図して行った支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。 〔事 例〕 Aは、活動に積極的に参加していたBさんが、最近作業への意欲が低下している様に感じた。Aは送迎時にBさんの母親にそのことを伝えた。すると母親から、先週Bさんが、父親のお気に入りの時計を誤って壊してしまったが、そのことを父親に伝えることができないでいる。父親もBさんが時計を壊したことに気づいてはいるが、Bさんを責めたくないので触れないでいるという話を聞いた。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
家族システムでは、Bさんの意欲低下を本人だけの問題とせず、時計を巡る父・母・本人の相互作用の一部として捉えます。沈黙が続く循環を変えるため、当事者Bさんと父親双方の気持ちを考え、対話への主体性を支えます。
解説
Bさんは時計を壊したことを父親に言えず、父親も気づきながら責めたくないため触れずにいます。双方の配慮が沈黙を生み、その緊張がBさんの作業意欲にも影響している可能性があります。家族システムへの支援では、一人を原因や悪者にせず、互いの行動が次の反応を生む循環を把握します。Aが、母親から聞いたことを隠さずBさんに伝え、Bさんが言えない気持ちと父親の気持ちを一緒に考えることは、本人が関係を捉え直し、自ら父親との対話を選べるよう支える介入です。母親を伝言役・調整役にして三者関係を固定したり、再発防止や叱責に焦点を移したりせず、Bさんの自己決定と家族内の直接的なコミュニケーションを促進します。
選択肢の確認
1.Bさんに、元気がないようなので少し作業の量を減らすことはどうかと話す。
誤り。作業量の調整は個人への対症的対応にとどまり、父親との沈黙が作る家族システムの循環には働きかけません。
2.Bさんに、母親から時計の話を聞いたことを伝えたうえで、父親に言えない気持ちや、父親の気持ちなどについて一緒に考えないかと話す。
正答。最も適切です。情報源を明らかにし、Bさんの気持ちと父親との相互関係を共に検討して、対話を選ぶ力を支えます。
3.母親に、時計の件でBさんと父親が気持ちを話し合う機会を作るように話す。
誤り。母親を仲介者として動かすだけでは三角関係を強める可能性があり、Bさん本人の主体的な関係調整を支えていません。
4.母親に、Bさんが同じ過ちをしないような対策をBさんと考えることはどうかと話す。
誤り。時計を壊した個人の過ちと再発防止に焦点を限定し、父子双方が話せずにいる関係の循環を扱っていません。
5.母親に、施設では間違ったことをしたときは謝ることが大切だよ、と言っていることから、父親に時計を壊したことを叱るのはどうかと話す。
誤り。叱責を促すと父子の不安や沈黙を強めるおそれがあり、本人の尊厳と対話による好循環を損ないます。
覚えるポイント
家族システムでは原因を一人に求めず、相互作用の循環を見ます。支援者は秘密の伝言関係を作らず、本人が直接対話へ進めるよう支えます。