37AM37第37回 臨床工学技士国家試験 過去問

医用治療機器学手術支援・輸液・内視鏡輸液ポンプ・内視鏡外科・ロボット支援手術

内視鏡外科手術について正しいのはどれか。 a.気腹には酸素を用いる。 b.標準的気腹圧は 10 mmHg 前後である。 c.気腹によって胸腔内圧が上昇する。 d.気腹は肺血栓塞栓症の要因となる。 e.気腹圧上昇により静脈還流量は増加する。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

この問題では、内視鏡外科手術における気腹の生理学的影響と安全管理が問われています。

正しい小項目は、b、c、dです。

  • b.標準的気腹圧は10 mmHg前後です。
  • c.気腹によって胸腔内圧が上昇します。
  • d.気腹は肺血栓塞栓症の要因となります。

解説

腹腔鏡手術などの内視鏡外科手術では、術野を確保するために腹腔内へガスを注入して気腹を行います。一般に用いられるガスは二酸化炭素、CO₂です。

CO₂は可燃性がなく、血液に溶けやすく、体外へ排出されやすい性質があります。酸素は燃焼を助ける支燃性があるため、気腹ガスとしては適しません。

気腹圧は施設や手術内容により調整されますが、標準的には10 mmHg前後から十数mmHg程度で管理されます。気腹により腹腔内圧が上昇すると横隔膜が押し上げられ、胸腔内圧が上昇し、肺コンプライアンス低下や換気への影響が生じます。

また、腹腔内圧の上昇により下大静脈が圧迫されると、静脈還流量は増加ではなく低下しやすくなります。下肢静脈うっ滞や手術体位の影響も加わり、深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症のリスク因子になります。

臨床工学技士としての注意点
内視鏡手術では、気腹装置、電気メス、内視鏡システム、吸引装置、麻酔器、人工呼吸器が同時に関わります。気腹圧、CO₂吸収、換気条件、循環動態、塞栓リスクをまとめて理解します。

選択肢の確認

1.誤り。
選択肢1はa、b、cの組合せです。bとcは正しいですが、aが誤りです。気腹には酸素ではなく、一般にCO₂を用います。

2.誤り。
選択肢2はa、b、eの組合せです。bは正しいですが、aとeが誤りです。気腹圧上昇により静脈還流量は増加ではなく、低下しやすくなります。

3.誤り。
選択肢3はa、d、eの組合せです。dは正しいですが、aとeが誤りです。酸素は気腹ガスとして不適切であり、気腹圧上昇は静脈還流を減少させる方向に働きます。

4.正しい。
選択肢4はb、c、dの組合せです。標準的気腹圧は10 mmHg前後で、気腹により胸腔内圧が上昇し、肺血栓塞栓症の要因にもなります。

5.誤り。
選択肢5はc、d、eの組合せです。cとdは正しいですが、eが誤りです。気腹圧上昇により静脈還流量は増加ではなく低下しやすくなります。

覚えるポイント

  • 内視鏡外科手術の気腹には、一般にCO₂を用います。
  • 標準的気腹圧は10 mmHg前後から十数mmHg程度で管理します。
  • 気腹により横隔膜が挙上し、胸腔内圧上昇や換気への影響が出ます。
  • 気腹圧上昇では静脈還流量は低下しやすくなります。
  • 気腹と手術体位は、深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症のリスクになります。

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