37PM65|第37回 臨床工学技士国家試験 過去問
人工呼吸管理中の気管吸引について正しいのはどれか。 a.吸引時間は 10 秒程度とする。 b.医師または看護師だけが実施できる。 c.時刻を決めて定期的に実施する。 d.吸引圧は 30 kPa 以上とする。 e.吸引カテーテル外径は気管チューブ内径の 50%以下とする。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、人工呼吸管理中の気管吸引の安全な実施方法が問われています。
正しい小項目は、aとeです。
- a.吸引時間は10秒程度とする。
- e.吸引カテーテル外径は気管チューブ内径の50%以下とする。
気管吸引は、分泌物を除去して気道を確保するために重要ですが、低酸素、気道損傷、不整脈、感染のリスクがあります。
解説
人工呼吸管理中の患者では、気管チューブにより咳嗽や自然な加湿・排痰が不十分になり、分泌物が貯留しやすくなります。
気管吸引は、分泌物貯留による換気障害、気道抵抗上昇、SpO₂低下を防ぐために行います。
吸引時間が長いと、肺内の空気や酸素も吸引され、低酸素血症を起こしやすくなります。そのため、1回の吸引時間はおおむね10秒程度に短くします。
吸引カテーテルが太すぎると、気管チューブ内腔を大きく塞ぎ、換気障害や強い陰圧による粘膜損傷を起こしやすくなります。そのため、吸引カテーテル外径は気管チューブ内径の50%以下を目安にします。
一方、吸引は時刻を決めて機械的に行うものではなく、痰の貯留、気道内圧上昇、呼吸音、SpO₂低下、換気量低下など、必要性を判断して実施します。
吸引圧を高くしすぎると、気道粘膜損傷や無気肺、低酸素のリスクが高まります。30 kPa以上を基本とするのは不適切です。
また、人工呼吸器使用時の喀痰吸引は、一定の条件下で臨床工学技士が関与できる重要な業務です。「医師または看護師だけが実施できる」とするのは不適切です。
臨床工学技士としての注意点
吸引前後でSpO₂、心拍数、気道内圧、換気量、痰の性状を確認します。閉鎖式吸引、感染対策、人工呼吸器アラーム、加温加湿状態もあわせて確認します。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1はa、bの組合せです。aは正しいですが、bが誤りです。人工呼吸器使用時の喀痰吸引は、医師または看護師だけに限定されるものではありません。
2.正しい。
選択肢2はa、eの組合せです。吸引時間は10秒程度に短くし、吸引カテーテル外径は気管チューブ内径の50%以下とするのが適切です。
3.誤り。
選択肢3はb、cの組合せです。bもcも不適切です。吸引は定時実施ではなく、必要性を判断して行います。
4.誤り。
選択肢4はc、dの組合せです。cは不適切で、dも不適切です。吸引圧を30 kPa以上とするのは高すぎます。
5.誤り。
選択肢5はd、eの組合せです。eは正しいですが、dが不適切です。吸引圧は高ければよいわけではありません。
覚えるポイント
- 気管吸引は、必要性を判断して実施します。
- 吸引時間は10秒程度に短くします。
- 吸引カテーテル外径は、気管チューブ内径の50%以下を目安にします。
- 高すぎる吸引圧は、粘膜損傷や低酸素の原因になります。
- 吸引中は、SpO₂低下、不整脈、気道損傷、感染に注意します。