38AM66|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
成人男性(体重 50 kg)に対する人工呼吸器装着の初期設定として適切でないのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、成人に人工呼吸器を装着するときの初期設定の目安が問われています。
人工呼吸器の初期設定では、次の項目を確認します。
- 換気回数
- 1回換気量
- I:E比
- PEEP
- トリガ感度
この問題は「適切でないもの」を選ぶ問題です。
したがって、正答の選択肢は、初期設定として不適切なものです。
解説
成人の人工呼吸器初期設定では、まず安全に換気できる範囲から開始し、血液ガス、SpO2、胸郭の動き、気道内圧、患者との同調性を見ながら調整します。
代表的な目安は次のとおりです。
- 換気回数:10〜15回/分程度
- 1回換気量:体重あたりおよそ 8〜10 mL/kg 程度を目安にすることがある
- I:E比:一般に 1:2 程度
- PEEP:3〜5 cmH2O 程度から開始することがある
- 圧トリガ感度:-1〜-2 cmH2O 程度
体重 50 kg の成人男性で、1回換気量 500 mL は、
- 500 mL / 50 kg = 10 mL/kg
となり、初期設定として不適切とはいえません。
ただし、ARDSなど肺保護換気が必要な場合は、理想体重あたり 6〜8 mL/kg 程度を目標にすることがあります。
一方、I:E比を 2:1 にすると、吸気時間が呼気時間より長くなります。
通常の初期設定では、呼気時間を十分に確保するために I:E比は 1:2 程度にします。
I:E比 2:1 は、特殊な換気条件で用いられる逆比換気に近い設定です。
初期設定として一般的ではありません。
ひっかけポイント
I:E比は「吸気:呼気」の比です。
一般的な初期設定では、吸気より呼気を長くとるため、1:2が基本です。
2:1は吸気が長く、通常の初期設定としては不適切です。
呼吸療法での注意点
人工呼吸器の初期設定は、数値を暗記するだけでなく、患者の病態に応じて調整します。特に、気道内圧、換気量、PaCO2、酸素化、患者との同調性を継続的に確認します。
選択肢の確認
1.設定としては適切。
換気回数 12回/分は、成人の人工呼吸器初期設定として一般的な範囲です。
2.設定としては適切。
体重 50 kg に対して 1回換気量 500 mL は 10 mL/kg です。初期設定として不適切とはいえません。病態によっては、より低い換気量に調整します。
3.正答。設定としては適切でない。
I:E比 2:1 は、吸気時間が呼気時間より長い設定です。通常の初期設定では、呼気時間を長く確保するため I:E比は 1:2 程度にします。
4.設定としては適切。
PEEP 3 cmH2O は、成人の初期設定として用いられる範囲です。酸素化や循環動態を見ながら調整します。
5.設定としては適切。
圧トリガ感度 -1〜-2 cmH2O は、患者の吸気努力を検出する設定として一般的な範囲です。感度が不適切だと、オートトリガやトリガ不良を起こすことがあります。
覚えるポイント
- 成人の換気回数初期設定は、10〜15回/分程度を目安にします。
- 1回換気量は、体重や病態に応じて設定します。
- 通常の I:E比は、1:2程度です。
- I:E比 2:1 は逆比換気に近く、一般的な初期設定としては不適切です。
- 人工呼吸器設定は、血液ガス、SpO2、気道内圧、患者同調性を見て調整します。