38AM69|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
人工呼吸管理中の加温加湿について正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、人工呼吸管理中の加温加湿と人工鼻の特徴が問われています。
気管挿管や気管切開を行うと、上気道による加温・加湿機能が失われます。
そのため、人工呼吸管理中は吸気ガスを適切に加温・加湿する必要があります。
加温加湿の方法には、主に次の2つがあります。
- 加温加湿器
- 人工鼻、HME
解説
通常、吸入気は鼻腔や上気道を通過する間に加温・加湿されます。
しかし、気管挿管中や気管切開中は上気道をバイパスするため、乾燥したガスが直接気道へ入りやすくなります。
加温加湿が不十分だと、次のような問題が起こります。
- 気道分泌物の粘稠化
- 痰づまり
- 気道抵抗の上昇
- 気管チューブ閉塞
- 無気肺
- 気道粘膜障害
加温加湿器は、水を加温して吸気ガスに水蒸気を加える装置です。
使用する水は水道水ではなく、滅菌水など指定された水を用います。感染対策の面からも、水道水の追加は不適切です。
ヒータワイヤは、回路内の結露を防ぎ、加温された吸気ガスを患者へ届けるために用いられます。
基本的には吸気回路側の管理が重要です。機種によって呼気側にもヒータワイヤを備えることがありますが、「呼気回路に組み入れる」とだけ覚えるのは不適切です。
人工鼻、HMEは、患者の呼気中の熱と水分を保持し、次の吸気で再利用する器具です。
構造が簡便で電源を必要としませんが、加温加湿器に比べて加湿性能には限界があります。
人工鼻では、分泌物が多いと内部が目詰まりし、呼吸抵抗が上昇します。
その結果、換気不良、気道内圧上昇、呼吸仕事量増加の原因になります。
また、人工鼻を装着したままネブライザを併用すると、薬液が人工鼻に捕捉され、薬剤が患者に届きにくくなります。
さらに人工鼻の抵抗増加や閉塞を起こすおそれがあります。
ひっかけポイント
人工鼻は便利ですが、万能ではありません。
分泌物が多い場合、呼吸抵抗が上昇することを必ず押さえます。
呼吸療法での注意点
加温加湿の管理では、チャンバ水位、設定温度、回路内結露、ヒータワイヤ、人工鼻の閉塞、気道分泌物の性状を確認します。痰が多い患者では人工鼻より加温加湿器が適する場合があります。
選択肢の確認
1.誤り。
加温加湿器に水道水を追加するのは不適切です。感染対策や機器管理の観点から、指定された滅菌水などを用います。
2.誤り。
ヒータワイヤは、加温した吸気ガスの温度低下や結露を防ぐため、主に吸気回路の管理で重要です。呼気回路に組み入れることが基本、という説明は不適切です。
3.誤り。
人工鼻とネブライザの併用は有用とはいえません。薬液が人工鼻に捕捉され、薬剤送達が低下し、人工鼻の抵抗上昇や閉塞を起こすおそれがあります。
4.正しい。
人工鼻では、分泌物が多いと内部が目詰まりし、呼吸抵抗が上昇します。換気不良や気道内圧上昇の原因になるため注意が必要です。
5.誤り。
人工鼻は簡便ですが、加湿性能は加温加湿器より優れているわけではありません。加温加湿器の方が高い加温加湿性能を得やすいです。
覚えるポイント
- 挿管中や気管切開中は、上気道の加温加湿機能が失われます。
- 加温加湿器には、指定された水を使用します。
- 人工鼻は、呼気中の熱と水分を保持して吸気時に再利用します。
- 人工鼻は、分泌物が多いと呼吸抵抗が上昇します。
- ネブライザ使用時は、人工鼻の閉塞や薬剤捕捉に注意します。