38AM72|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
人工心肺による体外循環中の生体反応において血中で上昇するのはどれか。 a.レニン活性 b.血清カリウム c.血清カルシウム d.プロスタグランジン e.心房性ナトリウム利尿ペプチド
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、人工心肺による体外循環中に起こる生体反応が問われています。
体外循環では、血液が人工材料面に接触し、さらに非拍動流、低体温、血液希釈、手術侵襲などが加わります。
その結果、内分泌系、炎症系、凝固線溶系などが反応します。
血中で上昇しやすいものとして、次を押さえます。
- レニン活性
- プロスタグランジン
- 心房性ナトリウム利尿ペプチド、ANP
解説
人工心肺を用いた体外循環では、通常の循環とは異なる条件になります。
代表的な変化は次のとおりです。
- 血液が人工材料に接触する
- 非拍動流になる
- 血液希釈が起こる
- 低体温管理を行うことがある
- 手術侵襲によるストレス反応が加わる
これらにより、体内ではストレスホルモンや炎症性メディエータが変化します。
問題文の小項目を確認します。
a.レニン活性
正しいです。体外循環中は腎血流や灌流圧の変化、交感神経系の反応などにより、レニン・アンジオテンシン系が活性化されます。そのため、血中レニン活性は上昇しやすくなります。
b.血清カリウム
誤りです。血清カリウムは心筋保護液、輸血、腎機能、溶血、補正などの影響を受けて変動しますが、人工心肺中の生体反応として血中で上昇する代表項目としては扱いません。
c.血清カルシウム
誤りです。体外循環では血液希釈や輸血に含まれるクエン酸の影響などにより、カルシウムは低下側に注意することがあります。血中で上昇する代表項目ではありません。
d.プロスタグランジン
正しいです。血液が人工材料面に接触することや手術侵襲により、炎症反応や血管作動性物質の変動が起こります。プロスタグランジンは上昇する生体反応として押さえます。
e.心房性ナトリウム利尿ペプチド
正しいです。心房性ナトリウム利尿ペプチドは、心房伸展や循環血液量の変化に反応して分泌されます。体外循環中の循環動態変化により血中で上昇します。
ひっかけポイント
電解質のカリウムやカルシウムは、体外循環中に重要な管理項目です。
ただし、この問題は「生体反応において血中で上昇するもの」を問うており、代表的に上昇するのはレニン活性、プロスタグランジン、心房性ナトリウム利尿ペプチドです。
臨床工学技士としての注意点
体外循環中は、灌流圧、灌流量、尿量、血液ガス、電解質、体温、ACT、ヘマトクリット値を継続的に確認します。生体反応を理解しておくと、循環管理や検査値変化を判断しやすくなります。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1は a、b、c の組合せです。aは正しいですが、bとcは誤りです。血清カリウムと血清カルシウムは、血中で上昇する代表的な生体反応としては扱いません。
2.誤り。
選択肢2は a、b、e の組合せです。aとeは正しいですが、bが誤りです。
3.正しい。
選択肢3は a、d、e の組合せです。レニン活性、プロスタグランジン、心房性ナトリウム利尿ペプチドはいずれも体外循環中に血中で上昇するものとして適切です。
4.誤り。
選択肢4は b、c、d の組合せです。dは正しいですが、bとcが誤りです。
5.誤り。
選択肢5は c、d、e の組合せです。dとeは正しいですが、cが誤りです。
覚えるポイント
- 体外循環では、人工材料接触、非拍動流、低体温、血液希釈、手術侵襲により生体反応が起こります。
- レニン活性は上昇しやすい項目です。
- プロスタグランジンなどの血管作動性物質も変動し、上昇します。
- 心房性ナトリウム利尿ペプチド、ANPは心房伸展や循環血液量の変化で上昇します。
- カリウムとカルシウムは重要な管理項目ですが、この問題の正答組合せには含まれません。