38AM75|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
血液透析の治療で直接改善される病態はどれか。 a.高リン血症 b.腎性貧血 c.二次性副甲状腺機能亢進症 d.低栄養 e.代謝性アシドーシス
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、血液透析で直接改善できる病態が問われています。
血液透析の主な役割は、腎臓で十分に排泄できなくなった物質や水分を除去し、体液・電解質・酸塩基平衡を補正することです。
直接改善されやすいものは、次の2つです。
- 高リン血症
- 代謝性アシドーシス
したがって、正しい小項目はa、eです。
解説
血液透析では、血液と透析液を半透膜を介して接触させます。
主な物質移動は次のとおりです。
- 拡散:濃度差により小分子物質が移動する
- 限外濾過:圧力差により水分を除去する
- 補正:透析液の電解質や重炭酸により体液環境を整える
問題文の小項目を確認します。
a.高リン血症
正しいです。リンは腎不全で蓄積しやすい物質です。血液透析によりリンを除去できるため、高リン血症は直接改善されます。
ただし、リン管理には食事療法やリン吸着薬も重要です。
b.腎性貧血
誤りです。腎性貧血は、腎臓で産生されるエリスロポエチンの不足が主な原因です。血液透析そのものでは直接改善しません。治療には、赤血球造血刺激因子製剤、鉄補充などが用いられます。
c.二次性副甲状腺機能亢進症
誤りです。二次性副甲状腺機能亢進症は、慢性腎不全に伴うリン蓄積、低カルシウム血症、活性型ビタミンD低下などが関係します。透析によるリン除去は関係しますが、病態そのものを直接改善する治療としては、リン管理、活性型ビタミンD製剤、カルシミメティクス、副甲状腺手術などを考えます。
d.低栄養
誤りです。血液透析は低栄養を直接改善する治療ではありません。透析患者では食事制限、炎症、食欲低下、透析中のアミノ酸喪失などにより低栄養が問題になることがあります。栄養評価と食事療法が必要です。
e.代謝性アシドーシス
正しいです。腎不全では酸の排泄が低下し、代謝性アシドーシスを起こしやすくなります。血液透析では、重炭酸を含む透析液を用いることで酸塩基平衡が補正され、代謝性アシドーシスが改善されます。
ひっかけポイント
血液透析で「関係する病態」と「直接改善される病態」を分けて考えます。
二次性副甲状腺機能亢進症はリン管理と関係しますが、血液透析で直接改善する代表病態としては選びません。
血液浄化療法での注意点
透析では、尿毒素、水分、電解質、酸塩基平衡を管理します。透析条件だけでなく、食事、薬剤、貧血管理、骨ミネラル代謝管理を組み合わせて患者状態を整えます。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1は a、b の組合せです。aの高リン血症は直接改善されますが、bの腎性貧血は血液透析そのものでは直接改善しません。
2.正しい。
選択肢2は a、e の組合せです。高リン血症はリン除去により改善し、代謝性アシドーシスは重炭酸を含む透析液により改善します。
3.誤り。
選択肢3は b、c の組合せです。腎性貧血も二次性副甲状腺機能亢進症も、血液透析で直接改善される代表病態ではありません。
4.誤り。
選択肢4は c、d の組合せです。二次性副甲状腺機能亢進症と低栄養は、血液透析で直接改善される病態としては不適切です。
5.誤り。
選択肢5は d、e の組合せです。eの代謝性アシドーシスは直接改善されますが、dの低栄養は直接改善されません。
覚えるポイント
- 血液透析では、尿毒素、余分な水分、電解質異常、酸塩基異常を補正します。
- 高リン血症は、透析によるリン除去で直接改善されます。
- 代謝性アシドーシスは、重炭酸透析液により直接改善されます。
- 腎性貧血は、主にエリスロポエチン不足が原因で、ESA製剤や鉄補充が必要です。
- 二次性副甲状腺機能亢進症は、リン、カルシウム、ビタミンD、副甲状腺ホルモンを総合的に管理します。