39AM54|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
図の回路で P 点の電位[V]はどれか。 ただし、A は理想演算増幅器で Vo は出力電圧とする。

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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、理想演算増幅器の基本性質を使って、反転入力端子につながる P 点の電位を求めます。
重要なのは、次の2つです。
- 理想演算増幅器では、入力端子に電流が流れない
- 負帰還がかかっているとき、反転入力端子と非反転入力端子はほぼ同電位になる
図では、P 点は反転入力端子側です。
一方、非反転入力端子側は、4 V の入力が 1 kΩ と 1 kΩ で分圧されています。
したがって、非反転入力端子の電位は 2 V です。
負帰還により、P 点も 2 V になります。
解説
理想演算増幅器では、入力インピーダンスが無限大とみなされます。
そのため、+入力端子、-入力端子には電流が流れません。
また、出力から反転入力端子側へ抵抗を介して戻る経路があるため、この回路には負帰還がかかっています。
負帰還がある理想演算増幅器では、次の関係を使います。
- V- = V+
ここで、
- V-:反転入力端子の電位
- V+:非反転入力端子の電位
です。
図では、P 点は反転入力端子に接続されています。
そのため、
- P点の電位 = V-
です。
次に、非反転入力端子側を見ます。
図で見るポイント
図の下側では、4 V の信号が 1 kΩ を通って非反転入力端子に入っています。さらに、その点から 1 kΩ が接地へ接続されています。
理想演算増幅器の入力端子には電流が流れないため、この部分は 1 kΩ と 1 kΩ の単純な分圧回路として考えます。
非反転入力端子の電位は、4 V を 1 kΩ と 1 kΩ で分圧した値です。
- V+ = 4 × 1 kΩ / (1 kΩ + 1 kΩ)
- V+ = 4 × 1 / 2
- V+ = 2 V
負帰還により、
- V- = V+
- V- = 2 V
P 点は反転入力端子側なので、
- P点の電位 = 2 V
したがって、正答は 4 です。
ひっかけポイント
P 点は反転入力端子側にありますが、必ずしも 0 V ではありません。反転増幅回路で非反転入力端子が接地されている場合は、P 点が仮想接地となり 0 V と考えます。
しかし、この回路では非反転入力端子が 2 V になっているため、P 点も 2 V になります。
出力電圧との区別
問題で問われているのは P 点の電位であり、出力電圧 Vo ではありません。
参考として、P 点でキルヒホッフの電流則を使うと、出力電圧 Vo は次のように求められます。
- P = 2 V
- 10 V 側から P 点へ流れる電流 = (10 - 2) / 1 kΩ = 8 mA
- 理想演算増幅器の入力端子には電流が流れない
- そのため、この 8 mA は帰還抵抗 1 kΩ を通って出力側へ流れる
- 出力側は P 点より 8 V 低い
- Vo = 2 - 8 = -6 V
つまり、-6 V は出力電圧 Voです。
P 点の電位は 2 Vなので、選択肢1を選ばないように注意します。
選択肢の確認
1.誤り。
-6 V は、この回路の出力電圧 Vo として求まる値です。問題で問われているのは出力電圧ではなく、P 点の電位です。
2.誤り。
P 点は負帰還により非反転入力端子と同電位になります。非反転入力端子は 4 V を 1 kΩ と 1 kΩ で分圧した 2 V であり、-2 V ではありません。
3.誤り。
P 点は常に 0 V ではありません。非反転入力端子が接地されている反転増幅回路では仮想接地として 0 V とみなしますが、この回路では非反転入力端子が 2 V です。
4.正しい。
非反転入力端子の電位は、4 V を 1 kΩ と 1 kΩ で分圧した値です。
- V+ = 4 × 1 / 2
- V+ = 2 V
負帰還がある理想演算増幅器では V- = V+ となるため、P 点の電位は 2 Vです。
5.誤り。
6 V にはなりません。10 V 側の入力と帰還抵抗は出力電圧 Vo の決定に関係しますが、P 点の電位は非反転入力端子の分圧電位によって 2 V に定まります。
覚えるポイント
- 理想演算増幅器では、入力端子に電流が流れない。
- 負帰還があるとき、理想演算増幅器では V- = V+ と考える。
- 非反転入力端子が 0 V でない場合、反転入力端子も 0 V とは限らない。
- この回路では、4 V を 1 kΩ と 1 kΩ で分圧するため V+ = 2 Vである。
- P 点は反転入力端子側なので、負帰還により P = 2 Vとなる。
- -6 V は出力電圧 Voであり、P 点の電位ではない。