39PM69|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
正しいのはどれか。 a.人工心肺装置を用いた体外循環中は高カリウム血症になる。 b.インスリンはカリウムの細胞内への移動を促進する。 c.低カリウム血症では不整脈が出やすくなる。 d.低カリウム液は心筋保護時の心停止に用いられる。 e.溶血すると低カリウム血症になる。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、カリウムの体内移動と、体外循環・心筋保護・溶血との関係が問われています。
カリウムは細胞内に多く存在する電解質で、血清カリウム値の異常は心電図変化や不整脈に直結します。
解説
小項目を確認します。
a.人工心肺装置を用いた体外循環中は高カリウム血症になる。
誤りです。体外循環中に必ず高カリウム血症になるわけではありません。血液希釈、尿量、輸血、心筋保護液、溶血など多くの要因で変動します。b.インスリンはカリウムの細胞内への移動を促進する。
正しいです。インスリンはカリウムを細胞内へ移動させ、血清カリウムを低下させる方向に働きます。c.低カリウム血症では不整脈が出やすくなる。
正しいです。低カリウム血症では心筋の興奮性や再分極に影響し、不整脈が起こりやすくなります。d.低カリウム液は心筋保護時の心停止に用いられる。
誤りです。心筋保護液では、一般に高カリウムにより心筋を脱分極性に停止させます。低カリウム液で心停止させるわけではありません。e.溶血すると低カリウム血症になる。
誤りです。赤血球内にはカリウムが多く含まれるため、溶血するとカリウムが血漿中へ出て、高カリウム血症の方向に働きます。
したがって、正しい小項目は b、c であり、選択肢3が正答です。
臨床工学技士としての注意点
体外循環では、カリウム、カルシウム、酸塩基平衡、心電図変化、心筋保護液の種類を常に意識します。高カリウムも低カリウムも不整脈の原因になります。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1は a、b の組合せです。bは正しいですが、aが誤りです。体外循環中に必ず高カリウム血症になるとはいえません。
2.誤り。
選択肢2は a、e の組合せです。aもeも誤りです。溶血では低カリウムではなく高カリウムに注意します。
3.正しい。
選択肢3は b、c の組合せです。インスリンはカリウムを細胞内へ移動させ、低カリウム血症では不整脈が出やすくなります。
4.誤り。
選択肢4は c、d の組合せです。cは正しいですが、dが誤りです。心筋保護時の心停止には高カリウム液を用います。
5.誤り。
選択肢5は d、e の組合せです。どちらも誤りです。心筋保護では高カリウム、溶血では高カリウムを考えます。
覚えるポイント
- インスリンはカリウムの細胞内移動を促進します。
- 低カリウム血症では不整脈が出やすくなります。
- 心筋保護液では、一般に高カリウムで心停止を得ます。
- 溶血では赤血球内カリウムが出るため、高カリウム血症に注意します。
- 体外循環中のカリウムは、採血結果と心電図変化を合わせて評価します。