39PM86|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
磁場の強さ[T]を示した図の(ア)、(イ)、(ウ)に対応するのはどれか。 ただし、肺磁図は酸化鉄粉じん肺の磁場である。

解答・解説を見る
正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、生体磁気計測で扱う磁場の大きさを、桁で比較できるかが問われています。
図は対数目盛で、左ほど磁場が弱く、右ほど磁場が強いことを示しています。
代表的な強さの順序は、概ね次のように整理します。
- 脳磁図:非常に弱い
- 心磁図:脳磁図より強い
- 肺磁図:酸化鉄粉じん肺ではさらに強い
- 都市の磁気雑音・地球磁場:生体磁気よりはるかに強い
解説
生体の電気活動に伴って微弱な磁場が発生します。これを計測するのが生体磁気計測です。
図では、磁場の強さが 10^-14 T から 10^-4 T までの対数目盛で示されています。
(ア)
(ア)は最も左側にあり、最も弱い磁場を示しています。
脳の神経活動に伴う磁場は非常に弱く、心臓や酸化鉄粉じん肺の磁場より小さいため、(ア)は脳磁図に対応します。
(イ)
(イ)は(ア)より右側にあり、脳磁図より強い磁場を示しています。
心臓は脳より電気活動の規模が大きく、心臓の電気活動に伴う磁場は脳磁図より大きくなります。したがって、(イ)は心磁図に対応します。
(ウ)
(ウ)はさらに右側にあり、(ア)(イ)より強い磁場を示しています。
この問題では、肺磁図は酸化鉄粉じん肺の磁場とされています。酸化鉄粉じん肺では、肺内に磁性体である酸化鉄粉じんが存在するため、通常の生体電気活動による磁場より大きな磁場として扱われます。
したがって、(ウ)は肺磁図に対応します。
図で見るポイント
図では、(ア)が 10^-14〜10^-12 T 付近、(イ)が 10^-12〜10^-10 T 付近、(ウ)が 10^-10〜10^-8 T 付近に配置されています。左から順に、脳磁図、心磁図、肺磁図と考えます。
ひっかけポイント
肺磁図といっても、この問題では「酸化鉄粉じん肺の磁場」と指定されています。肺の通常の電気活動ではなく、磁性体である酸化鉄粉じんの影響を考えるため、心磁図より大きい側に配置されます。
選択肢の確認
1.正しい。
(ア)脳磁図、(イ)心磁図、(ウ)肺磁図の組合せです。磁場の強さは、脳磁図が最も弱く、心磁図がそれより強く、酸化鉄粉じん肺の肺磁図がさらに強いと考えます。
2.誤り。
(ア)を心磁図、(ウ)を脳磁図としている点が不適切です。脳磁図は非常に微弱なので、最も左側の(ア)に対応します。
3.誤り。
(ア)を肺磁図としている点が不適切です。酸化鉄粉じん肺の肺磁図は、脳磁図より強い磁場として扱います。
4.誤り。
(ア)を心磁図、(イ)を脳磁図としている点が逆です。脳磁図は心磁図より弱いので、より左側の(ア)に対応します。
5.誤り。
(ア)の脳磁図は正しいですが、(イ)を肺磁図、(ウ)を心磁図としている点が逆です。酸化鉄粉じん肺の肺磁図は心磁図より強い側に配置されます。
覚えるポイント
- 生体磁気は非常に微弱で、都市の磁気雑音や地球磁場よりかなり小さいです。
- 脳磁図は生体磁気の中でも特に弱い磁場です。
- 心磁図は脳磁図より強い磁場として扱います。
- 酸化鉄粉じん肺の肺磁図は、磁性体である酸化鉄粉じんの影響により、心磁図より強い側に配置されます。
- 生体磁気計測では、微弱磁場を測るためにSQUID磁束計や磁気シールド環境が重要になります。