39PM85|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
正しいのはどれか。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、生体組織の物性について、流体、力学、音響、材料特性を総合的に判断します。
生体組織の多くは、単純な弾性体ではなく、粘弾性体として振る舞います。そのため、バネで表す弾性要素と、ダッシュポットで表す粘性要素を組み合わせたモデルで表されます。
解説
生体材料や生体組織は、工業材料のように単純な性質だけでは表しにくいことが多いです。
血液は、流れの状態やせん断速度によって粘性が変化します。そのため、厳密にはニュートン流体ではなく、非ニュートン流体として扱います。
生体軟組織は、変形に対して非線形性を示します。小さな変形と大きな変形で硬さが変化することがあり、単純な線形弾性体としては扱いにくいです。
音響インピーダンスは、媒質の密度と音速に関係します。骨は筋肉より密度や音速が大きいため、一般に骨の音響インピーダンスは筋肉より大きいです。
ヤング率は材料の硬さを表す指標です。コラーゲンはエラスチンより硬く、ヤング率が大きいです。エラスチンは伸びやすい弾性線維として理解します。
生体組織の力学的挙動は、弾性要素と粘性要素を直列または並列に組み合わせた粘弾性モデルで表されます。代表例として、MaxwellモデルやVoigtモデルがあります。
ひっかけポイント
生体組織は「やわらかいから単純」ではありません。非線形性、粘弾性、異方性、時間依存性を示すため、単純な線形モデルだけでは表せないことが多いです。
選択肢の確認
1.誤り。
血液はせん断速度によって粘性が変化するため、非ニュートン流体として扱います。低せん断速度では特に赤血球凝集などの影響を受けます。
2.誤り。
生体軟組織の変形挙動は一般に非線形です。応力とひずみが単純な比例関係になるとは限りません。
3.誤り。
筋肉の音響インピーダンスは骨よりも小さいです。骨は密度や音速が大きいため、音響インピーダンスが高くなります。
4.誤り。
エラスチンは伸展性に富む線維であり、コラーゲンよりヤング率は小さいです。コラーゲンは強度や剛性に関係します。
5.正しい。
生体組織の力学的挙動は粘弾性を示すため、弾性要素と粘性要素を直列・並列に組み合わせたモデルで表されます。
覚えるポイント
- 血液は非ニュートン流体として扱います。
- 生体軟組織の変形挙動は非線形です。
- 骨の音響インピーダンスは筋肉より大きいです。
- コラーゲンはエラスチンよりヤング率が大きいです。
- 生体組織は粘弾性を示し、弾性要素と粘性要素の直並列モデルで表されます。