39PM89第39回 臨床工学技士国家試験 過去問

人体の構造と機能血液・免疫・凝固ABO式血液型・DIC・NK/液性免疫・凝固因子

植込み材料の表面で起こる血栓形成の要因として正しいのはどれか。 a.溶 血 b.多糖の分解 c.血小板の凝集 d.タンパク質の変性 e.プラスミンの放出

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

この問題では、植込み材料表面での血栓形成に関係する反応を理解しているかが問われています。

血液が人工材料表面に接触すると、まずタンパク質が吸着し、その構造が変化します。そこへ血小板が付着・活性化・凝集し、凝固反応が進むことで血栓形成につながります。

重要なのは、タンパク質の変性血小板の凝集です。

解説

植込み材料や体外循環回路などの人工材料が血液と接触すると、血液適合性が問題になります。

人工材料表面では、次のような流れで血栓形成が起こりやすくなります。

  • 血漿タンパク質が材料表面に吸着する
  • 吸着したタンパク質が変性する
  • 変性タンパク質を介して血小板が付着する
  • 血小板が活性化・凝集する
  • 凝固系が活性化され、フィブリン形成が進む
  • 血栓が形成される

小項目を確認します。

  • a.溶血
    溶血は赤血球が破壊される現象です。機械的せん断や材料との接触で起こることはありますが、植込み材料表面での血栓形成の直接的な代表要因としては選びません。

  • b.多糖の分解
    多糖の分解は、植込み材料表面での血栓形成の主要な反応としては不適切です。

  • c.血小板の凝集
    正しいです。人工材料表面に血小板が付着し、活性化されて凝集することは血栓形成の重要な要因です。

  • d.タンパク質の変性
    正しいです。材料表面に吸着した血漿タンパク質が変性すると、血小板付着や凝固反応を促進しやすくなります。

  • e.プラスミンの放出
    誤りです。プラスミンはフィブリンを分解する線溶系に関係します。血栓形成を促進する要因ではなく、むしろ血栓を分解する方向に働きます。

したがって、正しい小項目は c、d であり、選択肢4が正答です。

臨床工学技士としての注意点
人工心肺回路、ECMO回路、血液浄化回路、カテーテル、人工血管、人工弁などでは、材料表面での血液反応が重要です。抗凝固管理だけでなく、材料表面、流速、せん断、停滞、圧変化も血栓形成に関係します。

選択肢の確認

1.誤り。
選択肢1は a、b の組合せです。溶血は人工材料や機械的刺激で起こることがありますが、血栓形成の代表要因としては不適切です。多糖の分解も主要な血栓形成要因ではありません。

2.誤り。
選択肢2は a、e の組合せです。溶血は血栓形成の直接的な代表要因ではなく、プラスミンは線溶に関係し、血栓を分解する方向に働きます。

3.誤り。
選択肢3は b、c の組合せです。cの血小板凝集は正しいですが、bの多糖の分解が不適切です。

4.正しい。
選択肢4は c、d の組合せです。血小板の凝集とタンパク質の変性はいずれも、植込み材料表面での血栓形成に重要な要因です。

5.誤り。
選択肢5は d、e の組合せです。dのタンパク質変性は正しいですが、eのプラスミン放出は血栓形成ではなく線溶に関係します。

覚えるポイント

  • 人工材料表面では、まず血漿タンパク質が吸着します。
  • 吸着したタンパク質の変性は血小板付着や凝固を促進します。
  • 血小板の凝集は血栓形成の中心的な反応です。
  • プラスミンはフィブリン分解に関係し、血栓形成ではなく線溶系に関係します。
  • 植込み材料や体外循環回路では、材料表面の血液適合性と抗凝固管理が重要です。

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