68AM007|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問
幼虫移行症をきたすのはどれか。
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正解: 4
正答
4(マンソン裂頭条虫)
この問題のポイント
ヒトの小腸で成虫になる条虫と、ヒトの組織内を幼虫のまま移行する条虫を生活環から見分ける問題です。
解説
マンソン裂頭条虫では、ケンミジンコ内のプロセルコイドを経て、カエルやヘビなどの体内にプレロセルコイド、すなわち孤虫(スパルガヌム)が形成されます。ヒトが幼虫をもつ動物を生食したり、幼虫をもつケンミジンコを含む水を飲んだりすると、ヒトは本来の終宿主ではなく待機宿主として感染します。孤虫は腸管内で成虫になるのではなく腸壁を通過し、皮下組織、眼、胸腹腔、中枢神経などへ移行してマンソン孤虫症を起こします。これが幼虫移行症です。設問の他の条虫は、典型的にはそれぞれの中間宿主にいる幼虫を食べたヒトの小腸で成虫となる感染が中心です。「ヒト体内で何の発育段階が病害を起こすか」を比較すると、マンソン裂頭条虫を選べます。
選択肢の確認
1.誤り。小形条虫は虫卵の経口摂取後に小腸内で生活環を完結し、成虫が小腸に寄生する腸管感染が中心で、代表的な組織幼虫移行症ではありません。
2.誤り。無鉤条虫は牛肉中の嚢尾虫を摂取するとヒト小腸で成虫になります。ヒトが虫卵から嚢虫症を起こす有鉤条虫との違いが重要です。
3.誤り。日本海裂頭条虫はサケ・マス類などにいるプレロセルコイドの摂取後、ヒト小腸で成虫となる裂頭条虫症が中心です。
4.正しい。マンソン裂頭条虫のプレロセルコイドがヒト組織内を移行し、マンソン孤虫症を起こします。
5.誤り。クジラ複殖門条虫(大複殖門条虫)は、ヒトでは小腸への成虫寄生として知られ、設問が問う代表的な幼虫移行症ではありません。
覚えるポイント
- マンソン裂頭条虫の幼虫は孤虫(スパルガヌム)と呼ばれます。
- ヒトは待機宿主となり、皮下・眼・中枢神経などへ幼虫が移行します。
- 無鉤条虫は牛肉から成虫感染し、ヒト嚢虫症を起こす有鉤条虫と区別します。
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