68PM022|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問
誘発電位を別に示す。 この記録はどれか。

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正解: 4
正答
4(聴性脳幹反応)
この問題のポイント
刺激後10 ms以内に0.2 μV程度の再現性ある複数波が並ぶ時間尺度から、聴覚神経〜脳幹の短潜時反応を見分ける問題です。
解説
図の横軸は刺激後0〜10 ms、縦軸はμVで、右上の校正は0.2 μVです。ほぼ重なる2本の記録が描かれ、刺激後早期に複数の頂点が再現していることが実際に確認できます。この短潜時・微小振幅・再現性の組合せは聴性脳幹反応〈ABR〉です。ABRはクリック音などを繰り返し与え、頭皮上電極で得られる微小電位を加算平均して背景脳波を減らします。通常、刺激後約10 ms以内にⅠ〜Ⅴ波が現れ、Ⅰ波は聴神経遠位部、以後は聴神経から脳幹聴覚路の活動を反映します。各波の絶対潜時やⅠ−Ⅴ波間潜時、左右差を調べ、聴力推定、新生児聴覚スクリーニング、聴神経・脳幹伝導障害の評価などに用います。図から特定の病変を推測するのではなく、軸の時間尺度と校正、反復波形の重なりから検査の種類を同定します。
選択肢の確認
1.誤り。視覚誘発電位ではパターン反転刺激後のP100など、主成分が約100 ms付近に現れ、図の0〜10 msとは時間尺度が異なります。
2.誤り。事象関連電位は認知処理に関連し、代表的なP300は刺激後約300 ms前後に出現します。
3.誤り。聴性定常反応は周期的に変調した音への定常的応答を周波数領域で解析するもので、図のようなⅠ〜Ⅴ波の過渡反応ではありません。
4.正しい。0〜10 ms内の再現性ある微小な複数波は聴性脳幹反応の典型です。
5.誤り。体性感覚誘発電位は末梢神経を電気刺激し、脊髄・皮質までの反応を記録します。刺激部位に応じたN20などを評価し、本図とは異なります。
覚えるポイント
- ABRは刺激後約10 ms以内のⅠ〜Ⅴ波を評価します。
- 微小電位なので反復刺激と加算平均、再現波形の確認が必要です。
- 波間潜時は聴神経から脳幹の伝導評価に役立ちます。
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