113A057|第113回 歯科医師国家試験 過去問
73歳の女性。上顎右側側切歯の動揺を主訴として来院した。3年前から下顎インプラントオーバーデンチャーを使用しているが、就寝中は外しているという。使用時の違和感は認められない。初診時の口腔内写真(別冊No. 14)を別に示す。バーアタッチメントには矢印で示す磨耗が認められる。 まず行うべき対応はどれか。1つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
義歯を外した時間帯に、残存上顎歯が下顎バーへ直接接触していることを、バーの局所的摩耗から読み取ります。
解説
患者は就寝中に下顎インプラントオーバーデンチャーを外しています。その状態では上顎右側側切歯が露出したバーアタッチメントへ直接接触し、ブラキシズムなどの力でバーに摩耗痕をつくり、同歯の動揺を助長したと考えられます。まず就寝時にも下顎義歯を装着して直接接触を遮断し、その後に歯・義歯・アタッチメントを再評価します。
画像の確認
実画像では、上顎右側側切歯に対応する下顎バーの上面に、矢印で示された円形の強い摩耗面があります。下顎義歯を装着していれば人工歯列が介在する位置であり、義歯撤去時に上顎歯がバーへ当たることを示す所見です。
選択肢の確認
a.上顎右側側切歯の咬合調整
誤り。まず原因となる夜間のバーとの直接接触を避ける必要があり、天然歯を不可逆的に削る処置を先行しません。
b.スリーブの交換
誤り。義歯の維持低下やスリーブ摩耗の訴えはなく、バー上面の対合歯接触が問題です。
c.下顎義歯の咬合面再形成
誤り。使用時の違和感はなく、義歯を外している就寝時に接触が生じています。
d.就寝時の義歯装着の指示
正しい。本症例では義歯を介在させ、上顎歯とバーの直接接触を防ぐことをまず試みます。
e.バーアタッチメントの除去
誤り。機能している装置を直ちに除去する侵襲的対応ではなく、原因行動への対応が先です。
覚えるポイント
通常の「就寝時は義歯を外す」という一般指導だけで決めず、本例ではバーの摩耗位置と残存歯の対向関係から例外的対応を選びます。
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