113A058|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

70歳の男性。よく嚙めないことを主訴として来院した。5年前から義歯は使用していないという。検査の結果、口腔機能低下症と診断し、上下顎に治療用義歯を装着することとした。初診時の口腔内写真(別冊No. 15)を別に示す。 治療用義歯装着により早期に改善が期待されるのはどれか。2つ選べ。

113A058の問題画像
2つ選択
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正解: c・d

正答

c、d

この問題のポイント

治療用義歯を入れた直後に改善するのは、欠損歯と咬合支持を機械的に補うことで直接変わる機能です。筋力・嚥下能力の改善とは時間軸が異なります。

解説

治療用義歯により人工歯と咬合接触が回復すると、食物を粉砕する咀嚼能力は早期に向上します。また歯・歯槽堤の欠損で乱れていた舌と呼気の接触部位が補われ、構音点が得られるため発話明瞭度も比較的早く改善します。一方、舌圧、舌口唇運動機能、嚥下機能は筋機能や運動学習に依存し、義歯装着だけで直ちに改善するとは限りません。

画像の確認

実画像では、多数歯欠損により前歯部・臼歯部の咬合支持が広く失われ、残存歯だけでは十分な粉砕面を確保できません。上下顎の歯列欠損と咬合高径の乱れを治療用義歯で補えば、咀嚼面と発音時の口腔形態を直ちに再構成できます。

選択肢の確認

a.舌圧
誤り。舌筋の出力であり、義歯装着直後より訓練や栄養改善を通じて変化する指標です。

b.嚥下機能
誤り。食塊形成には良い影響を与え得ますが、嚥下反射や咽頭期機能が早期に直接改善するとは限りません。

c.咀嚼能力
正しい。人工歯によって咬合接触と粉砕面が回復し、早期改善が期待できます。

d.発話明瞭度
正しい。欠損部を補い、舌・口唇と歯列の構音接触を回復します。

e.舌口唇運動機能
誤り。運動速度・巧緻性は神経筋機能であり、義歯装着だけの即時効果とは区別します。

覚えるポイント

義歯がすぐ作るのは「咬む面」と「発音の形」。筋力や嚥下運動の改善には適応・訓練・全身管理も必要です。

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