113A061|第113回 歯科医師国家試験 過去問
68歳の女性。食事時の咀嚼困難を主訴として来院した。8年前に上下顎全部床義歯を製作し問題なく使用していたが、2週前から咀嚼時の義歯床下粘膜の疼痛を自覚するようになったという。診察の結果、新義歯を製作するため、概形印象を採得することとした。ある処置の操作中の写真(別冊No. 17A)と操作後の義歯装着時の口腔内写真(別冊No. 17B)を別に示す。 この処置の目的はどれか。1つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
長期間合わない義歯で圧迫された粘膜を、新義歯の印象前に健康な形へ戻す処置がティッシュコンディショニングです。
解説
旧義歯の粘膜面に粘弾性のあるティッシュコンディショナーを裏装し、数日ごとに交換・調整して、持続的な不均等圧で変形・炎症を起こした床下粘膜を安静にします。写真の操作は軟質材の余剰部を切除しているところです。粘膜の発赤、浮腫、圧痕が改善して歪みが解放されてから概形・精密印象を行うことで、安定した支持組織形態を記録できます。
画像の確認
実画像では、旧全部床義歯の粘膜面に白色〜淡紫色の軟質裏装材が広く敷かれ、はさみで床縁の余剰材を切除しています。装着時写真では上下義歯の咬合面を削合しているのではなく、粘膜面側に軟質材を介在させて床下組織への圧を緩和しています。
選択肢の確認
a.義歯床縁の延長
誤り。余剰材をトリミングしており、床縁を恒久的に延長する処置ではありません。
b.真菌の増殖抑制
誤り。軟質材は長期使用でむしろ汚染され得るため交換・清掃が必要で、抗真菌目的ではありません。
c.咬合接触関係の修正
誤り。咬合面の削合・添加ではなく、床粘膜面への材料適用です。
d.骨鋭縁部のリリーフ
誤り。局所的に床を削除するリリーフではなく、床下粘膜全体の回復を図っています。
e.義歯床下粘膜の歪みの解放
正しい。不適合義歯で変形した粘膜を機能圧から解放し、健全な状態へ戻します。
覚えるポイント
新義歯印象の前に粘膜が傷んでいれば、まずティッシュコンディショニング。「変形した粘膜のリセット」が目的です。
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