113A084|第113回 歯科医師国家試験 過去問
82歳の女性。摂食時の疼痛を主訴として訪問歯科診療の依頼があった。脳梗塞の既往があり、ワルファリンカリウムを服用している。口腔清掃に介助が必要である。初診時の口腔内写真(別冊No. 34A)と使用中の義歯の写真(別冊No. 34B)を別に示す。 家族への義歯の清掃指導とともに投与すべき薬物はどれか。1つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
義歯床に一致する口蓋の発赤と不潔な義歯から義歯性Candida症を考えます。ワルファリンとの相互作用を避けて抗真菌薬を選びます。
解説
義歯性口内炎では義歯床下にCandidaが増殖し、粘膜がびまん性に発赤して灼熱痛・接触痛を生じます。義歯と口腔の清掃、夜間の義歯撤去、義歯の適合調整に加え、局所抗真菌薬を用います。アムホテリシンBは消化管からほとんど吸収されない局所製剤として使用でき、ワルファリン作用を強めるミコナゾールを避けられます。
画像の確認
実画像では、上顎義歯床の被覆範囲に一致して口蓋粘膜にびまん性の発赤と点状紅斑があります。義歯粘膜面には白色付着物と汚れが広く残り、清掃不良を背景とする義歯性Candida症の所見です。
選択肢の確認
a.デキサメタゾン
誤り。副腎皮質ステロイドは局所免疫を抑え、真菌感染を悪化させるおそれがあります。
b.アムホテリシンB
正しい。Candidaに有効な抗真菌薬で、局所療法としてワルファリン併用患者にも選択しやすい薬です。
c.アセトアミノフェン
誤り。疼痛を一時的に軽減しても真菌を除去できません。
d.ミコナゾール硝酸塩
誤り。抗真菌作用はありますが、ワルファリン代謝を阻害して抗凝固作用を著しく増強し得るため避けます。
e.セファゾリンナトリウム
誤り。細菌に対するセフェム系抗菌薬で、Candidaには無効です。
覚えるポイント
義歯床一致の赤い口蓋=義歯性Candida症。ワルファリン服用中はミコナゾールとの重大な相互作用に注意し、選択肢ではアムホテリシンBです。
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