113C050|第113回 歯科医師国家試験 過去問
52歳の女性。下顎左側第一大臼歯の咬合痛を主訴として来院した。3年前にジルコニアを用いたオールセラミッククラウンを装着し問題なく使用していたが、1か月前から痛みを感じるようになったという。下顎左側第一大臼歯のプロービング深さは近心舌側で8mm、他部位は3mm以下であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 10A)とエックス線画像(別冊No. 10B)を別に示す。 原因として最も考えられるのはどれか。1つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
根管治療歯に限局した深い歯周ポケットと咬合痛が新たに出た場合、垂直性歯根破折を強く疑います。
解説
垂直性歯根破折では、破折線に沿って細菌が侵入し、狭く深い孤立性ポケットや歯根側面から根尖へ続く透過像を生じます。歯冠修復後しばらく経ってから咬合痛や腫脹が出ることも典型です。本例では近心舌側だけ8 mmで他部位が3 mm以下という局所性が決め手です。CBCTや破折線の直接確認を組み合わせます。
画像の確認
実画像では、Aの下顎左側第一大臼歯に白色クラウンが装着され、歯冠に大きな破損は目立ちません。画像Bでは根管充塡・築造された歯根の側方から根尖周囲に透過像がみられ、孤立性8 mmポケットという臨床所見と合わせて歯根破折を疑います。
選択肢の確認
a.根管穿孔
誤り。
根管穿孔でも局所病変は起こり得ますが、装着後3年の経過と孤立性深部ポケットからは歯根破折が最も考えられます。
b.歯根嚢胞
誤り。
歯根囊胞は通常、失活歯根尖を中心とする境界明瞭な透過像で、狭い孤立性ポケットを特徴としません。
c.歯根破折
正しい。
垂直破折線に沿う感染が孤立性深部ポケットと咬合痛を生じます。
d.硬化性骨炎
誤り。
硬化性骨炎は根尖周囲の不透過像が主体で、孤立性深部ポケットの原因ではありません。
e.根分岐部病変
誤り。
根分岐部病変なら分岐部の水平的プロービングや骨透過像が中心で、近心舌側一か所だけの深いポケットとは合いにくいです。
覚えるポイント
- 根管治療歯+咬合痛+孤立性深部ポケット=歯根破折を疑います。
- 画像だけでなく全周プロービングが重要です。
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