113C051|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

57歳の女性。義歯の新製を希望して来院した。8年前に上下顎部分床義歯を装着し問題なく使用していたが、3日前に上下義歯とも紛失したという。残存歯のプロービング深さは全歯で3mmであり、動揺は認めない。タッピングポイントは収束しており、顎関節にも異常を認めなかった。初診時の口腔内写真(別冊No. 11A)とエックス線画像(別冊No. 11B)を別に示す。 新義歯製作に際し設定すべきなのはどれか。2つ選べ。

113C051の問題画像
2つ選択
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正解: a・d

正答

a、d

この問題のポイント

多数歯欠損でも安定した残存歯咬合がある本例では、失われた前歯・床部分について咬合平面と口唇支持を新たに設定します。

解説

タッピングポイントが収束し、残存歯が健全で動揺もないため、既存の咬頭嵌合位と垂直的顎間関係は残存歯から再現できます。一方、前歯部を含む広い欠損では人工歯排列の基準となる咬合平面と、上顎前歯・床翼によるリップサポートを決める必要があります。顆路や側方誘導は顎運動記録や残存歯関係に応じて調整しますが、本問の初期設定項目ではありません。

画像の確認

実画像では、Aで上下顎に多数歯欠損がある一方、左右に咬合接触を与え得る残存歯がみられます。パノラマ画像Bでも残存歯支持が確認できるため、既存顎位を利用しつつ、失われた前歯部の咬合平面と口唇支持を義歯で回復する必要があります。

選択肢の確認

a.咬合平面
正しい。
人工歯排列と機能・審美の基準となるため、新義歯で設定します。

b.矢状顆路傾斜角
誤り。
矢状顆路傾斜角は顎運動記録などで咬合器を調節する値で、本症例で欠損に伴い新たに設定すべき項目ではありません。

c.垂直的顎間関係
誤り。
安定した残存歯接触と収束したタッピングポイントから既存の垂直的顎間関係を利用できます。

d.リップサポート
正しい。
前歯・歯槽部の欠損で失われた口唇の支持を人工歯と床翼で設定します。

e.側方滑走運動の誘導
誤り。
側方滑走運動の誘導は残存歯・人工歯咬合を総合して調整しますが、欠損部でまず新たに決める二項目ではありません。

覚えるポイント

  • 残存歯咬合が安定していれば顎位の基準にできます。
  • 前歯部欠損では咬合平面とリップサポートを回復します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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