113C060|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

78歳の男性。咀嚼時に左側下唇がしびれることを主訴として来院した。7年前に現在の義歯を装着し問題なく使用していたが、半年前から食事開始数分後にしびれるようになったという。初診時の口腔内写真(別冊No. 19A)とエックス線画像(別冊No. 19B)を別に示す。 まず行うべき処置はどれか。2つ選べ。

113C060の問題画像
2つ選択
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正解: a・d

正答

a、d

この問題のポイント

高度顎堤吸収でオトガイ孔が義歯床下に近づくと、咬合圧がオトガイ神経を圧迫して下唇のしびれを起こします。まず圧を除きます。

解説

下顎無歯顎では骨吸収が進むと、もともと骨体内にあったオトガイ孔が顎堤頂近くへ相対的に移動します。義歯床からの圧迫が食事時にオトガイ神経へ加わると、下唇・オトガイ部の疼痛やしびれが出ます。まず原因部位をリリーフし、軟質裏装材で負担を分散します。神経への不可逆的処置や薬物療法より、機械的圧迫の解除が先です。

画像の確認

実画像では、Aで下顎顎堤が高度に吸収して平坦化しています。パノラマ画像Bでも下顎骨の垂直的高さが減少し、オトガイ孔が顎堤頂に近い位置となるため、義歯粘膜面の局所圧が神経へ伝わりやすい状態です。

選択肢の確認

a.軟質裏装
正しい。
軟質材料で義歯床下の圧を緩衝・分散します。

b.神経ブロック
誤り。
原因は義歯による反復圧迫なので、神経ブロックで感覚だけを遮断する前に義歯を調整します。

c.レーザー照射
誤り。
レーザー照射は機械的圧迫を除去できません。

d.義歯床粘膜面のリリーフ
正しい。
オトガイ孔相当部の義歯床粘膜面を削除し、神経への局所圧を除きます。

e.副腎皮質ステロイド軟膏の塗布
誤り。
粘膜炎症を示す病変ではなく、ステロイド軟膏では圧迫原因を解消できません。

覚えるポイント

  • 高度顎堤吸収ではオトガイ孔が顎堤頂へ近づきます。
  • しびれが咀嚼で出るなら、まず義歯のリリーフと軟質裏装で除圧します。

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