113C086|第113回 歯科医師国家試験 過去問
45歳の女性。口蓋部の腫脹を主訴として来院した。1年前から自覚していたが、痛みがないためそのままにしていたという。左側口蓋部に骨様硬の腫脹を認める。初診時の口腔内写真(別冊No. 36A)、エックス線画像(別冊No. 36B)、CT(別冊No. 36C)、MRI(別冊No. 36D)及び生検時のH-E染色病理組織像(別冊No. 36E)を別に示す。診断名はどれか。1つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
上顎骨を膨隆させる病変と、粘液様間質中の疎な星状・紡錘形細胞から歯原性粘液腫と診断します。
解説
歯原性粘液腫は歯原性間葉組織由来の良性腫瘍で、ゼラチン状の粘液様基質内に星状・紡錘形細胞が疎に分布します。画像では単房性または多房性透過像を示し、細い骨梁がテニスラケット状・蜂巣状にみえることがあります。被膜が不完全で周囲骨へ浸潤性に広がるため、十分な安全域を考慮した摘出と長期経過観察が必要です。
画像の確認
実画像では、Aの左側口蓋に表面粘膜が正常色の骨様硬膨隆があり、画像B〜Dでは上顎洞を占拠して骨を膨隆・菲薄化させる病変がみられます。病理像Eでは豊富な粘液様基質の中に星状・紡錘形細胞が疎に分布し、歯原性粘液腫の典型像です。
選択肢の確認
a.膿瘍
誤り。
膿瘍なら急性疼痛、発赤、波動、膿形成が中心で、1年の無痛性骨性膨隆と粘液様組織像に合いません。
b.扁平上皮癌
誤り。
扁平上皮癌は異型上皮胞巣の浸潤を示し、疎な粘液様間質とは異なります。
c.歯原性粘液腫
正しい。
画像の膨張性顎骨病変と星状細胞を含む粘液様間質が一致します。
d.エナメル上皮腫
誤り。
エナメル上皮腫では柵状配列する円柱細胞をもつ歯原性上皮胞巣がみられます。
e.線維性異形成症
誤り。
線維性異形成症では線維性間質中に不規則な幼若骨を認め、粘液様間質は示しません。
覚えるポイント
- 歯原性粘液腫は星状細胞+豊富な粘液様基質です。
- 画像では多房性透過像と細い骨梁、膨張性発育をみます。
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