113D049|第113回 歯科医師国家試験 過去問
28歳の女性。上顎右側中切歯の審美不良を主訴として来院した。3年前、上顎右側中切歯に補綴装置を装着したが、昨日の夕食中に欠けたという。冷温痛は認めない。初診時の口腔内写真(別冊No. 7)を別に示す。 適切な処置はどれか。2つ選べ。

解答・解説を見る
正解: c・d
正答
c、d
この問題のポイント
前歯部の歯冠色修復物が大きく破折し、審美性の回復が必要です。残存歯質量に応じて、接着性のラミネートベニアまたは全部被覆のオールセラミッククラウンを選択できます。
解説
前歯の審美修復では、まず既存補綴装置を除去して齲蝕、破折範囲、歯髄・歯周組織、残存エナメル質、咬合を評価します。唇面主体の欠損で接着に十分なエナメル質と歯冠形態が残れば、削除量の少ないラミネートベニアで色調と形態を回復できます。
欠損が広く、軸面全周の形態・強度・色調遮蔽が必要なら、オールセラミッククラウンによる全部被覆が適します。どちらも金属色を露出させず前歯部審美性を得られます。漂白は欠けた形態を戻せず、グラスアイオノマーセメントは大きな切縁・唇面欠損の強度と審美性に不足します。
画像の確認
実画像では、上顎右側中切歯の歯冠色補綴装置が近遠心方向に大きく破折し、片側に白色材料が残る一方、反対側には褐色調の支台歯面が広く露出しています。周囲歯肉に著しい腫脹はなく、治療の中心は前歯歯冠の形態・色調を接着性セラミックスで再建することです。
選択肢の確認
a.歯の漂白
誤り。
色調改善はできても、破折して失われた補綴装置と歯冠形態を回復できません。
b.3/4クラウンの装着
誤り。
3/4クラウンは前歯の唇面を被覆せず保存する設計であり、本例のような広い唇面欠損の形態・色調を回復できません。
c.ラミネートベニアの装着
正しい。
唇面主体の欠損で接着可能なエナメル質が残れば、歯質削除を抑えて審美的に再修復できます。
d.オールセラミッククラウンの装着
正しい。
欠損が広い場合に歯冠全体の形態・強度・色調を金属なしで回復できます。
e.グラスアイオノマーセメント修復
誤り。
大きな前歯切縁・唇面欠損へ長期的な強度と高度な審美性を与える材料ではありません。
覚えるポイント
- 前歯審美修復は残存エナメル質が多いならベニア、広範囲なら全部被覆冠を検討します。
- 漂白は色を変える処置で、歯冠形態の欠損は直せません。
- 材料選択前に既存修復物下の齲蝕・破折と咬合を必ず評価します。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。