113D050|第113回 歯科医師国家試験 過去問
24歳の女性。右側頰部の腫脹を主訴として来院した。同部に骨様硬の腫瘤を認める。自発痛と圧痛はなく、開口障害は認めない。内科で大腸内視鏡検査を受け、腫瘤性病変を指摘されている。兄にも同様の顎骨病変がみられる。初診時のエックス線画像(別冊No. 8A)とCT(別冊No. 8B)を別に示す。 最も疑われるのはどれか。1つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
若年者の多発性顎骨骨腫に、大腸の腫瘤性病変と家族内発症が組み合わさるため、APC遺伝子異常によるGardner症候群を考えます。
解説
Gardner症候群は家族性大腸腺腫症〈FAP〉の表現型の一つで、常染色体顕性遺伝するAPC遺伝子異常が原因です。大腸に多数の腺腫性ポリープを生じ、未治療では大腸癌へ進展する危険が極めて高いため、消化器科・遺伝診療部門との連携が必要です。
口腔顎顔面領域では多発性骨腫、埋伏歯、過剰歯、歯牙腫などが大腸症状より先に発見されることがあります。皮膚の類表皮囊胞や線維性腫瘍も関連します。本例では兄にも顎骨病変があり、家族性疾患であることをさらに支持します。歯科画像から全身疾患を拾い上げる代表的場面です。
画像の確認
実画像では、Aのパノラマエックス線像で下顎角・下顎枝部を中心に境界明瞭な強い不透過性腫瘤が複数みられ、埋伏歯も認めます。BのCTでは下顎骨外側や顔面骨から連続する高吸収の骨性腫瘤が多発し、とくに右側下顎角部では外向性に大きく突出しています。
選択肢の確認
a.Marfan症候群
誤り。
FBN1異常による結合組織疾患で、高身長、クモ状指、水晶体偏位、大動脈病変などが中心です。
b.Gardner症候群
正しい。
大腸腺腫症、家族歴、多発性顎骨骨腫の組合せが典型です。
c.Peutz-Jeghers症候群
誤り。
口唇・口腔周囲の色素斑と消化管過誤腫性ポリープを特徴とし、多発性顎骨骨腫は示しません。
d.von Recklinghausen病
誤り。
神経線維腫症1型で、カフェオレ斑、多発神経線維腫、Lisch結節などを示します。
e.McCune-Albright症候群
誤り。
多骨性線維性異形成、カフェオレ斑、思春期早発などを特徴とし、大腸腺腫症とは結び付きません。
覚えるポイント
- 顎骨骨腫+大腸腺腫症+家族歴=Gardner症候群です。
- 原因はAPC遺伝子で、常染色体顕性遺伝です。
- 顎骨所見が大腸疾患の早期発見につながることがあります。
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