113D071|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

義歯の写真(別冊No. 24)を別に示す。 陰圧による維持の向上に関与するのはどれか。2つ選べ。

113D071の問題画像
2つ選択
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正解: c・d

正答

c、d

この問題のポイント

全部床義歯で陰圧を維持するには、義歯床周縁から空気が侵入しない封鎖が必要です。写真のウは床縁による辺縁封鎖、エは上顎義歯後縁の後縁封鎖に関与します。

解説

上顎全部床義歯が粘膜から離れようとすると、床下へ空気が入り込まない限り床下圧が周囲より低くなり、義歯を粘膜側へ保持する力が働きます。この陰圧を生じさせ、持続させる前提が辺縁封鎖です。頰・口唇側および翼突下顎ヒダ部などの床縁は、機能運動を妨げない範囲で口腔前庭の形態へ適合させます。後方では、上顎義歯の後縁を可動性のある軟組織へ適合させる後縁封鎖、すなわちポストダムが空気の侵入を防ぎます。

床と粘膜の広い接触面では唾液を介した付着・凝集や界面張力も維持に寄与しますが、「陰圧」に直接必要なのは周囲を連続して封鎖する構造です。人工歯の位置や研磨面形態は咬合・筋圧との調和に重要でも、床下を閉鎖空間にする部位そのものではありません。

画像の確認

実画像では、上段に上顎全部床義歯の人工歯・口蓋面・頰側床翼が示され、下段には粘膜面と床縁が示されています。ウは粘膜面側の唇頰側床縁を、エは口蓋後方の義歯床後縁を指しており、この二つが連続した辺縁封鎖を形成して床下への空気流入を防ぎます。

選択肢の確認

a.ア
誤り。
人工歯列に関係する部位で、床下の空気を遮断して陰圧を保つ封鎖部ではありません。

b.イ
誤り。
義歯の外側・研磨面側の形態に関係しますが、写真で問う床粘膜面の辺縁封鎖部ではありません。

c.ウ
正しい。
唇頰側の床縁が機能的に適合し、床下への空気侵入を防いで辺縁封鎖を作ります。

d.エ
正しい。
上顎義歯の後縁封鎖部で、ポストダムとして陰圧の維持に重要です。

e.オ
誤り。
口蓋の広い床粘膜面は付着などに寄与しますが、陰圧を作る周縁の封鎖部そのものではありません。

覚えるポイント

  • 陰圧による維持には、床下を外気から隔てる連続した辺縁封鎖が必要です。
  • 唇頰側床縁と上顎義歯後縁のポストダムを対応させます。
  • 過長な床縁は機能運動で押し外されるため、長ければよいわけではありません。

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