113D073|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

75歳の男性。食事に時間がかかることを主訴として家族と来院した。半年前に気付いたがそのままにしていたという。検査結果の一部を表に示す。 適切な対応はどれか。2つ選べ。

113D073の問題画像
2つ選択
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正解: a・b

正答

a、b

この問題のポイント

検査では舌口唇運動機能低下と低舌圧があり、咀嚼・嚥下機能は保たれています。舌・口唇の運動を促す構音訓練と、舌筋力を高める舌抵抗訓練が適します。

解説

食事に時間がかかる高齢者では、口腔不潔、口腔乾燥、咬合力、舌口唇運動、舌圧、咀嚼、嚥下のどこに障害があるかを分けて評価します。本例は口腔不潔、口腔乾燥、咬合力低下、咀嚼機能低下、嚥下機能低下はいずれも「無」で、舌口唇運動機能低下と低舌圧だけが「有」です。したがって、障害のある構音・舌運動と舌筋力へ直接働きかける訓練を選びます。

構音訓練では音の産生を利用して舌尖・舌背・口唇の素早く正確な運動を反復し、舌口唇運動機能を改善します。舌抵抗訓練では舌圧測定器や舌圧子などへ舌を押し付け、最大舌圧と食塊送り込み能力の改善を図ります。頸部可動域訓練、食道入口部を広げるバルーン訓練、声門閉鎖を強化するプッシング・プリング訓練は、提示された障害像に対応しません。

画像の確認

実画像では、評価表のうち「舌口唇運動機能低下」と「低舌圧」だけが「有」と判定されています。口腔不潔・乾燥、咬合力、咀嚼機能、嚥下機能はいずれも「無」であり、訓練対象を舌と口唇の運動・筋力へ絞れる所見です。

選択肢の確認

a.構音訓練
正しい。
発音運動を反復して舌・口唇の巧緻性と運動速度を高めるため、舌口唇運動機能低下に対応します。

b.舌抵抗訓練
正しい。
舌を抵抗物へ押し付けて舌筋を強化し、低舌圧の改善を図ります。

c.頸部可動域訓練
誤り。
頸部拘縮や嚥下時の姿勢調整が主な対象で、本例の限局した舌口唇機能低下への直接訓練ではありません。

d.バルーン拡張訓練
誤り。
輪状咽頭部・食道入口部の開大障害などへ用いる訓練で、嚥下機能低下のない本例には適しません。

e.プッシング・プリング訓練
誤り。
声門閉鎖や呼気・発声機能の強化を狙う訓練で、低舌圧への第一選択ではありません。

覚えるポイント

  • 検査結果で「低下あり」の機能と訓練目的を一対一で対応させます。
  • 舌口唇運動低下には構音訓練、低舌圧には舌抵抗訓練です。
  • 食事時間の延長だけで、嚥下訓練が必要と決めつけません。

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