113D074|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

5歳の女児。上顎前歯の形態異常を近医で指摘され来院した。2か月前に上顎左側乳中切歯が脱落し後継歯が萌出してきたという。初診時の口腔内写真(別冊No. 25A)とエックス線画像(別冊No. 25B)を別に示す。 治療方針の決定に有用なのはどれか。1つ選べ。

113D074の問題画像
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正解: e

正答

e

この問題のポイント

萌出してきた上顎前歯に複雑な形態異常があり、二次元エックス線像だけでは歯冠・歯根形態と隣在歯との位置関係を確定できません。歯科用コーンビームCTが治療方針決定に有用です。

解説

前歯の形態異常では、歯冠だけでなく歯根の数・湾曲・癒合状態、歯髄腔の走行、萌出方向、隣在歯や永久歯胚との位置関係を確認して、保存・分割・抜歯・矯正誘導などの方針を決めます。口内法エックス線写真は重なりのある二次元像であり、頰舌方向の構造や複雑な内部形態の把握には限界があります。歯科用コーンビームCTは、限局した撮影範囲を三次元的に再構成し、硬組織の位置・形態を多断面で評価できます。

小児では放射線防護の観点から、撮影結果が治療方針を変えると判断した場合に、必要最小限の範囲と条件で実施します。MRIは軟組織評価に優れますが歯の石灰化硬組織の微細形態には不向きです。咬合力、歯髄反応、歯周ポケットの検査だけでは、異常歯の三次元構造を示せません。

画像の確認

実画像では、上顎左側前歯部に通常とは異なる細長い歯冠形態の萌出歯がみられ、周囲には空隙があります。口内法エックス線画像では同部の硬組織像が隣在歯・発育中の歯と重なり、歯冠から歯根、歯髄腔に至る形態と頰舌的位置を一枚の像だけで決めにくい状態です。

選択肢の確認

a.MRI
誤り。
軟組織や骨髄の評価には有用ですが、歯の石灰化組織の細かな三次元形態評価にはCBCTが適します。

b.咬合力検査
誤り。
咬合機能を測る検査であり、異常歯の根・歯髄腔・隣在歯との位置関係は分かりません。

c.歯髄電気診
誤り。
歯髄感覚反応を調べる検査で、形態異常の全体像や治療時の解剖学的危険を示しません。

d.歯周ポケット検査
誤り。
歯周組織の状態を評価しますが、顎骨内の異常歯形態を三次元的に把握できません。

e.歯科用コーンビームCT
正しい。
歯と周囲硬組織を三次元的に描出し、形態・位置関係に基づく治療方針決定に役立ちます。

覚えるポイント

  • 複雑な歯の形態異常では、歯冠・歯根・歯髄腔を三次元で評価します。
  • CBCTは硬組織と位置関係の把握に優れます。
  • 小児のCTは診断上の利益を確認し、照射範囲を最小限にします。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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