119A050第119回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

4 歳の女児。上顎前歯の変色を主訴として来院した。5 か月前に転倒し、上顎左 側乳中切歯を強打したという。歯髄電気診に生活反応を示さなかった。初診時の口 腔内写真(別冊No. 13A)とエックス線画像(別冊No. 13B)を別に示す。 A に対する適切な対応はどれか。1 つ選べ。

119A050の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

外傷後に変色し、歯髄生活反応を失った乳歯では、保存可能であれば感染根管治療を行います。

解説

本症例は外傷から5か月後に乳中切歯の変色を認め、歯髄電気診に生活反応がありません。歯髄壊死後の根管感染が疑われるため、後継永久歯への感染波及を防ぎながら乳歯を保存するには感染根管治療が適します。

乳歯の根管治療では、生理的歯根吸収と後継永久歯胚の位置に配慮し、根尖外へ器具や薬剤を押し出さないことが重要です。保存不能、著しい歯根吸収、広範な感染などでは抜歯を検討します。

画像の確認

実画像Aでは外傷を受けた上顎左側乳中切歯が隣在歯と比べて灰色に変色し、失活歯を示唆する。Bで後継永久歯胚との位置関係を確認でき、生活反応がないことと合わせて歯髄壊死・根管感染に対する感染根管治療が必要である。

選択肢の確認

a.抜 歯
この症例での第一選択ではありません。
抜歯は保存不能や感染制御困難な場合に検討します。正答情報上、本症例では感染根管治療による保存が適切です。

b.漂 白
誤り。
漂白は色調改善のみを目的とし、壊死・感染した歯髄を除去できません。乳歯では後継歯への影響も考える必要があります。

c.経過観察
誤り。
生活反応がなく外傷後の変色を認めるため、単なる経過観察では感染の進行を見逃す可能性があります。

d.感染根管治療
正答。最も適切です。
壊死・感染した根管内容物を除去・消毒し、乳歯根管を適切に充填して後継永久歯への影響を防ぎます。

e.コンポジットレジン修復
誤り。
コンポジットレジン修復は形態や表面色を改善しても、根管内感染の治療にはなりません。

覚えるポイント

  • 外傷後変色歯では歯髄生活反応を確認します。
  • 失活した乳歯を保存する場合は感染根管治療です。
  • 乳歯根管治療では生理的歯根吸収と後継永久歯胚に配慮します。

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