119A076|第119回 歯科医師国家試験 過去問
8 歳の男児。上顎右側中切歯が生え代わらないことを主訴として来院した。初診 時の口腔内写真(別冊No. 26A)とエックス線画像(別冊No. 26B)を別に示す。 1 の萌出遅延の原因はどれか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
永久歯の萌出遅延では、後継永久歯そのものだけでなく、乳歯の形態異常や残存、過剰歯などの萌出路の障害を確認します。
解説
本症例では、上顎右側中切歯が反対側より生え代わっていません。萌出遅延の評価では、口腔内で乳歯が残っているか、エックス線画像で後継永久歯の歯胚が存在するか、萌出方向と萌出路に障害物がないかを順に確認します。
BAの癒合歯は、乳中切歯と乳側切歯が結合して幅広い歯冠・歯根形態を示す異常です。通常より大きな乳歯が残存すると、後継永久歯の萌出路を妨げ、上顎中切歯の萌出遅延につながります。
画像の確認
実画像Aでは上顎右側乳前歯部に幅の広い癒合歯が残り、その後方に永久中切歯の萌出余地が乏しい。Bでは永久中切歯自体は存在するが、萌出路上に残存する乳歯BAの大きな歯冠・歯根が重なっているため、この癒合歯が萌出遅延の原因と判断できる。
選択肢の確認
a.2 矮小歯
誤り。
2の矮小歯は上顎側切歯の形態異常であり、1の萌出路を直接遮る代表的原因ではありません。永久側切歯が小さくても、中切歯の萌出遅延をそれだけで説明することは困難です。
b.BA 癒合歯
正しい。
BA癒合歯は通常より大きな乳歯となり、残存や歯根形態の異常によって後継永久歯の萌出路を妨げることがあります。本症例の1の萌出遅延を説明します。
c.1 先天欠如
誤り。
1が先天欠如であれば萌出する永久中切歯の歯胚自体が存在しません。設問は1の萌出遅延の原因を問うており、画像で歯胚の有無を確認して区別します。
d.上唇小帯肥厚
誤り。
上唇小帯肥厚や高位付着は正中離開の原因となりますが、片側中切歯の萌出遅延を起こす代表的な物理的障害ではありません。
e.上顎正中埋伏過剰歯
誤り。
上顎正中埋伏過剰歯は中切歯萌出遅延の重要な原因ですが、本症例で示される原因はBA癒合歯です。過剰歯の有無と位置はエックス線画像で確認します。
覚えるポイント
- 片側性萌出遅延では、乳歯残存、過剰歯、歯牙腫、萌出方向異常を確認します。
- 癒合歯は2個の歯胚が結合し、歯冠幅が大きくなることがあります。
- 口腔内所見とエックス線画像を対応させ、永久歯歯胚と萌出路を評価します。