113D076|第113回 歯科医師国家試験 過去問
遊離端義歯の設計で、最も優先すべきなのはどれか。1つ選べ。
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正解: c
正答
c
この問題のポイント
遊離端義歯では、歯根膜支持の支台歯と被圧変位量の大きい粘膜支持部が混在します。支台歯と顎堤へ無理なく力を配る「咬合圧の分散」を最優先します。
解説
遊離端欠損では、義歯床の遠心側に天然歯による支持がなく、咬合時に床が顎堤粘膜へ沈下・回転しやすくなります。歯根膜の被圧変位量は小さい一方、顎堤粘膜はより大きく沈下するため、この支持様式の差を無視すると、最後方支台歯へ有害な側方力・回転力が集中します。したがって、広い義歯床、適切な印象、レストと支台装置、剛性のある連結装置、咬合調整などを組み合わせ、力を支台歯と顎堤へ分散させることが設計の第一目的です。
クラスプの囲繞性、維持力、受動性、拮抗作用はいずれも部分床義歯に必要な設計原則ですが、維持力を強くするだけでは沈下回転を防げず、かえって支台歯を傷めることがあります。遊離端という欠損様式に特有の問題を問われたら、異なる支持組織間での荷重分担を優先します。
選択肢の確認
a.囲繞性の確保
誤り。
クラスプが歯冠周囲を適切に取り囲むことは必要ですが、遊離端部の沈下と回転への最優先課題ではありません。
b.維持力の付与
誤り。
脱離抵抗は必要でも、過大な維持力は支台歯への負担を増やすため、まず荷重分散を考えます。
c.咬合圧の分散
正しい。
咬合力を支台歯と広い顎堤へ分け、支台歯への回転力集中を防ぐことが最重要です。
d.受動性の付与
誤り。
義歯安静時にクラスプが歯へ力を加えないことは重要ですが、遊離端設計の最優先事項ではありません。
e.拮抗作用の確保
誤り。
維持腕に対する拮抗は必要な原則ですが、支持様式の差による過重負担を解決する中心概念ではありません。
覚えるポイント
- 遊離端義歯は歯根膜支持と粘膜支持が混在します。
- 床の沈下・回転を抑え、咬合圧を支台歯と顎堤へ分散させます。
- 維持力だけを強める設計は支台歯保護につながりません。
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