113D077|第113回 歯科医師国家試験 過去問
39歳の女性。口臭を主訴として来院した。今朝起床時の飲食は緑茶のみであるという。プロービング深さは全歯3 mm以下で、OʼLearyのPCRは15%であった。口腔清掃指導を行ったところ、2週後の再来院時には口臭の訴えは認められなくなった。初診時の舌の写真(別冊No. 26)と初診時と再来院時の口臭検査結果の一部を表に示す。 最も考えられるのはどれか。1つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
起床時で摂食前、舌苔を認め、初診時だけ硫化水素が検出されています。清掃指導後に臭気と訴えが消失したため、一過性の生理的口臭です。
解説
生理的口臭は、起床時、空腹時、緊張時などに唾液分泌が低下し、舌苔や剝離上皮・細菌が増えて揮発性硫黄化合物が産生されることで起こります。本例は朝の飲食が緑茶のみで、歯周ポケットは全歯3 mm以下、PCRも15%と低く、口腔由来の持続的な病的原因を示す所見が乏しいです。写真の舌苔と、初診時の軽い官能的不快臭および硫化水素検出は、起床時の生理的変化と整合します。
再来院時には清掃指導だけで訴えがなくなり、硫化水素も0になっています。仮性口臭症では客観的臭気を認めないのに本人が口臭を訴え、口臭恐怖症では説明・治療後も強い不安が持続します。本例は初診時に客観的臭気があり、それが消失して本人の訴えも解消しているため該当しません。緑茶だけで、特徴的な飲食物臭を説明する状況でもありません。
画像の確認
実画像では、舌背後方を中心に白色から淡褐色の舌苔が付着しています。検査表では初診時に官能検査で「かすかに感じる不快臭」があり、硫化水素2.5 ng/10 mLが認知閾値以上ですが、再来院時には不快臭なし・硫化水素0へ改善しています。
選択肢の確認
a.仮性口臭症
誤り。
初診時に官能検査とガスクロマトグラフィーで客観的な臭気が確認されています。
b.口臭恐怖症
誤り。
清掃指導後に本人の訴えが消失しており、臭気がない状態でも不安が持続する経過ではありません。
c.生理的口臭
正しい。
起床時・空腹時の唾液減少と舌苔を背景とした一過性口臭で、清掃後に消失しています。
d.飲食物由来の口臭
誤り。
強い臭気を生じる食品の摂取歴はなく、舌苔と硫化水素が所見を説明します。
e.口腔由来の病的口臭
誤り。
深い歯周ポケットなど持続的な病変を認めず、清掃で速やかに消失しています。
覚えるポイント
- 起床時口臭は唾液減少と舌苔による代表的な生理的口臭です。
- 仮性口臭症は客観的臭気がなく、口臭恐怖症は治療後も確信・不安が続きます。
- 官能検査と揮発性硫黄化合物の結果を経時的に読みます。
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