113D087|第113回 歯科医師国家試験 過去問
61歳の男性。上顎前歯部ブリッジの動揺を主訴として来院した。7年前に上顎右側犬歯から上顎左側犬歯までのブリッジを製作したが、1年前から徐々に動揺が増大してきたという。検査の結果、すべての支台歯の抜去が必要と診断し、義歯製作のため印象採得と咬合採得を行った。初診時の口腔内写真(別冊No. 34A)とエックス線画像(別冊No. 34B)を別に示す。 作業用模型上で行うのはどれか。2つ選べ。

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正解: a・c
正答
a、c
この問題のポイント
抜歯前に製作して抜歯直後に装着する即時義歯です。作業用模型ではサベイングを行い、さらに抜去予定歯を模型上で削除して抜歯後の顎堤形態を予測します。
解説
即時義歯は、残存歯がある状態で印象と咬合採得を行い、抜歯前に義歯を完成させ、抜歯直後に装着します。審美性・発音・創面保護を早期に確保できる反面、実際の抜歯後顎堤を直接印象できないため、作業用模型上で抜去予定歯を歯頸部付近から削除し、歯槽頂・唇頰側形態を予測して人工歯と義歯床を排列・形成します。
部分床義歯として残存歯へ支台装置を設計するため、模型をサベイヤーに載せて着脱方向、アンダーカット、ガイドプレーンなどを検討します。歯冠豊隆の修正やレストシート形成は、必要なら最終印象前に患者の口腔内で支台歯へ行う前処置であり、完成用作業模型だけを削っても口腔内形態は変わりません。ポストダムは上顎全部床義歯の後縁封鎖に関する処置で、本例の即時部分床義歯設計とは異なります。
画像の確認
実画像では、上顎右側犬歯から左側犬歯までを連結する前歯部ブリッジが動揺し、左右臼歯部には残存歯があります。パノラマ像では前歯部支台歯の歯周支持が著しく失われて抜歯予定である一方、臼歯部を利用する即時部分床義歯の設計が必要な状態です。
選択肢の確認
a.サベイング
正しい。
作業用模型で義歯の着脱方向と残存歯のアンダーカットを調べ、支台装置を設計します。
b.歯冠豊隆の修正
誤り。
必要な歯冠形態修正は患者の支台歯へ行う口腔内前処置で、作業用模型上だけでは完結しません。
c.抜去予定歯の削除
正しい。
模型上で前歯部の抜去予定歯を削除し、抜歯後顎堤を予測して即時義歯を製作します。
d.ポストダムの付与
誤り。
上顎全部床義歯の後縁封鎖を得るための処置で、本例の作業用模型上の主要操作ではありません。
e.レストシートの形成
誤り。
レストシートは原則として最終印象前に患者の支台歯へ形成し、その形を模型へ再現します。
覚えるポイント
- 即時義歯は抜歯前に印象・製作し、抜歯直後に装着します。
- 作業用模型上では抜去予定歯を削除して抜歯後形態を予測します。
- 部分床義歯設計ではサベイングを行い、口腔内前処置と模型操作を区別します。
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