114A046|第114回 歯科医師国家試験 過去問
82歳の女性。食事中のむせを主訴として訪問歯科診療の依頼があった。 Alzheimer型認知症で施設に入所している。ミールラウンドで食事の観察を行ったところ、食形態は普通食で、多量の食物を急いで搔き込む動作がみられた。初診時の口腔内写真(別冊No. 16)を別に示す。口腔機能評価の結果を表に示す。 口腔衛生指導とともにまず行うのはどれか。1つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
検査値だけでなく食事場面を観察し、むせの直接的な原因になっている摂食行動と食形態へ介入します。
解説
本症例は口腔機能検査で著しい筋力・運動機能低下を示さない一方、認知症を背景に普通食を多量かつ急いで取り込んでいます。一口量が大きく、十分に咀嚼・送り込みを調整できないことが、食事中のむせにつながると考えます。そこで、まず軟らかくまとまりやすい食形態への変更、小分けでの提供、介助者による摂食ペースの調整などを指導します。
訓練や義歯新製は精査後に必要となる場合がありますが、観察で明らかな危険因子へ先に対応します。
画像の確認
実画像では、口腔内に多数歯欠損と歯面・粘膜周囲の汚れがみられますが、表の咬合力、舌口唇運動、舌圧は基準を満たし、EAT-10も異常域ではありません。ミールラウンドでは普通食を多量に急いで搔き込む行動が確認されており、一口量や摂食速度を含む食形態・提供方法の調整が優先されます。
選択肢の確認
a.嚥下訓練
誤り。嚥下機能障害の内容を評価して選ぶもので、まず本例の食行動を是正します。
b.構音訓練
誤り。主訴である食事中のむせへの直接的対応ではありません。
c.義歯の新製
誤り。欠損はありますが、検査上の咬合力は保たれており最優先ではありません。
d.舌抵抗訓練
誤り。舌圧は基準範囲で、筋力低下が主要因ではありません。
e.食形態の指導
正しい。普通食と搔き込み行動に対し、安全な形態・一口量・速度を調整します。
覚えるポイント
- 摂食嚥下評価ではミールラウンドの行動観察が重要です。
- 正常な機能検査値があっても、不適切な一口量や速度でむせます。
- 原因に合わせて食形態、提供量、介助方法を調整します。
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